先代ゴルフRの予算で狙える アストン・マーティンDB9 英国版中古車ガイド 美貌の維持は楽じゃない

公開 : 2023.11.06 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

工場は新しい。製造ラインは最新。迷わず選んで良さそうだ。接着剤で結合されたアルミニウム製プラットフォームをベースとする、まったく新しいDB9。2004年に誕生した、モダンなアストン マーティンだ。(2013年6月17日)

アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)
アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ポール・ジェンナー氏

「2006年式のDB9 クーペを、10年ほど所有しています。現在の走行距離は9万9700km。わたしが購入してから、4万km程走りました。アストン マーティンのディーラーでの整備記録が残っており、好調を保っています」

アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)
アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)

「ガソリン代を除いて、維持費は年間2000ポンド(約36万円)程度必要です。燃費は市街地で5.0km/L、高速で9.0km/Lといったところです」

「ブレーキディスクとパッドの交換は、3万km前後で必要になります。費用は2000ポンド(約36万円)ですね。タイヤは長持ちするので、そこまで心配はいらないでしょう」

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

シャシーやボディシェルは、アルミニウム製部品を接着剤で結合して構成されている。軽量・強固だが、修理は高くつく。ドアハンドル周辺やパネルの端が腐食しやすい。フロントノーズは飛び石傷で剥げやすく、再塗装されている例も多い。

エンジン

基本的に堅牢。シリンダーライナーのシール周辺が腐食する場合がある。タイミングカバー・シールの状態もチェックポイント。警告灯が灯っている場合は、予めアストン マーティンのディーラーでコンピューター診断を受けたい。

アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)
アストン・マーティンDB9(2004〜2016年/英国仕様)

エンジンオイルの消費は多めで、1600km毎に250cc程度燃える。定期的にバルブトレインのノイズを確かめ、オイル量をチェックしたい。過去の整備記録も確認する。

トランスミッション

オートマティックは信頼性が高いが、変速が滑らかかは確かめたい。ATフルード・クーラーからフルード漏れしていないか調べる。パーキングに入らなくなったり、ニュートラルへ勝手に戻るというリコールが英国では出ているので、対応済みかも確認する。

MTの場合、クラッチは3万km程度で駄目になる。

ステアリングとサスペンション、ブレーキ

ステアリング系では、フロントサブフレームへの取り付け不良など、3件のリコールが英国では出されている。サスペンション系では、リアサブフレーム・ブッシュとアンチロールバー・ブッシュの不良でリコールが出ている。

DB9の車重は1760kgと重めで、足まわりには負担がかかりやすい。ウィッシュボーン・ボルトが固着して、アライメント調整が難しくなることがある。

ハンドブレーキは、正しく解除されるか確かめる。気づかずに走ると、ブレーキパッドが焦げてしまう。

インテリア

シートヒーターが過熱するというリコールが出ている。パワーウィンドウが不調の場合は、フレームラバーが原因のことが多い。レザーや天井の内張りの状態を、しっかり観察したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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