【夢に描いた2ドアクーペを現実に】シトロエンDSクーペ・グラン・パレ 前編

2020.05.02

サマリー

カースタイリストのゴドフロイと、コーチビルダーのビアーが目指したのは、製造されることのなかったシトロエンDSの2ドアクーペ。1万時間以上をかけて完成した端正なボディには、思わず見惚れてしまいます。

もくじ

開発当時の夢を叶えたデザイナー
同僚との能力を合わせて独創的に
個性は残しつつより高いレベルへ
ドアから後ろのボディはFRPで一新

開発当時の夢を叶えたデザイナー

text:Jon Pressnell(ジョン・プレスネル)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
誰もがそれぞれ、大きさは違っても、自分なりの夢を持っているはず。もしこんなクルマがあったなら、と夢想している読者もいるだろう。

計画には上がりながらも、自動車メーカーとして量産できなかったクルマも少なくない。エンジニアやデザイナーの夢に終わったプロジェクトたち。

シトロエンDSクーペ・グラン・パレ
シトロエンDSクーペ・グラン・パレ

かなり数は少ないながらも、その夢を現実するための熱い魂と才能を備え、必要な資金や人材を準備できる人がいる。そんな人物の1人が、ノルマンディーを拠点に活動するジェラール・ゴドフロイだ。

彼が生み出したのは、ピラーレスの美しいシトロエンDS 2ドアクーペ、グラン・パレ。華麗なボディラインに見惚れるだけでなく、まるでシトロエンの生産ラインから出てきたかのように、完成度も高い。

写真を見ていただければ分かる通り、このDSグラン・パレを手掛けたのは、アマチュア・レベルの人間ではない。ジェラール・ゴドフロイ自身も、業界では名の通った自動車デザイナー。クルマ以外の工業製品も数多く生み出している。

若かりしゴドフロイは社会人になると、2年半をプジョーで過ごし、プジョー205の初期デザインに関与。その後フランスのコーチビルダー、ユーリエ社に入り、5年ほど経験を積んだ。

アルピーヌV6のデザインを仕上げる責任者となったほか、シトロエン・ビザIIのフェイスリフトを担当。コンパクト・モデルの延命に貢献している。

 
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