【最高の小型ハッチバックを探せ】スーパーミニ・メガテスト 勝利のカギは全方位の魅力 3位〜1位 前編

公開 : 2020.05.17 08:50  更新 : 2021.03.19 11:28

ルノーとプジョー、そして日本に再上陸するオペル(ヴォクゾール)のニューモデルが出揃ったタイミングで、スーパーミニのメガテストを行いました。新型ヤリスが間に合わなかったのは残念ですが、その結果は興味深いものです。

最終決戦

実際、この3台はそれぞれが傑出したコンパクトハッチだと言える。

ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)、フォードフィエスタ、そしてフォルクスワーゲン・ポロは、今回のテストに参加したなかで、議論の余地なく最後の3台として残ることとなった。

クリオには見事なハンドリングと活気ある3気筒ターボエンジンが備わっている。
クリオには見事なハンドリングと活気ある3気筒ターボエンジンが備わっている。

この3台のお陰でスモールカー全体のスタンダードが引き上げられることになるのだから、これは欧州のドライバーにとっては素晴らしいニュースでしかないだろう。

3台それぞれに、今回勝者となるだけの十分な理由を説明することが出来るのであり、実際にそうしてみれば、どれが一番説得力のある説明かが明らかになるに違いない。

新型クリオには見事なスタイリングとよく考えられたキャビンレイアウト、そして直観的な操作が可能なニュートラルなハンドリングなど数々の魅力が備わっているが、なかでも一番の強みは、いまや多くの欧州メーカーがコンパクトハッチでは重視しなくなったバリュー・フォー・マネーの高さだろう。

クラスでもっとも安価な1台という訳ではないが、その価格に対する品質というものを重視するのであれば(クリオは最終決戦に残った3台のなかで、唯一1万5000ポンド/201万5000円以下のプライスタグを掲げたモデルだ)、このクルマはまさにバーゲンと呼ぶべき存在だ。

素晴らしいドライビングポジション

確かにメーカー希望小売価格だけが実際の支払額を決めているわけではないが、ふつう登場したばかりのスーパーミニが、それほど競争力のあるプライスタグを掲げるようなことはしないのだから、やはり注目しない訳にはいかない。

クリオのインテリアには好ましいシンプルさと控え目さが同居しており、つねにクラス平均以上の品質を感じさせることで他のモデルとの差別化に成功している。

ルノーのスイッチ類のレイアウトは理想的であり、計器類も見やすい。
ルノーのスイッチ類のレイアウトは理想的であり、計器類も見やすい。

さらにこのクルマには見事なエルゴノミクスを感じさせるキャビンレイアウトと、素晴らしいドライビングポジションまで備わっている。

パッケージング効率を優先したスモールハッチバックであるにもかかわらず、ドライバーは低く座って真っ直ぐ足を延ばすことが出来るとともに、完ぺきな形状のステアリングホイールは自然な位置に置かれ、高く扱いやすい位置にあるシフトレバーと見事なペダル配置に加え、ドライバーの体は理想的にサポートされる。

インストゥルメントもシンプルで視認性に優れており、タッチスクリーン式インフォテインメントシステムは最大のサイズや、最高のグラフィックスを誇る訳でもないが、運転を阻害することのない直観的な操作が可能となっている。

何故かかつてのルノーが隠すように配置していた多くの重要なスイッチやボタンが、いまではあるべき場所へと移されており、クルーズコントロールのスイッチはもはやセンターコンソールではなく、ステアリングホイールのスポーク部に設置されている。

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