航空業界のエキスパートに訊く 自律運転の現実 クルマは航空機から何を学べる?

2018.08.12

100字サマリー

自動飛行システムが実用化されてすでに数十年が経つ航空機の世界から、クルマは何を学ぶことができるのでしょうか? 英国王立航空協会にこの道35年のエキスパートを訪ねました。万一に備えたシステムの冗長性だけでなく、ソフトウェアの堅牢性などもカギとなるようです。

もくじ

この道35年のエキスパートに訊く
自律と自動の違い 冗長性が重要
統一ルールはこれから カギはソフトウェア
イメージ先行 どこまで信頼できる?

この道35年のエキスパートに訊く

いま、われわれは由緒正しい王立航空協会のロンドン本部にきている。ハイドパークのすぐそばにある歴史を感じさせる建物には、歴代会長の名を記したニス塗りのボードが掲げられているが、その多くが航空エンジニアリングとその発展に多大な貢献を行ってきたひとびとだ。

王立航空協会を訪ねたのは、トニー・ヘンリーとクルマの自動運転について話すためだ。彼はBAE Systems社でナビゲーションとその表示システムを担当することで、35年のキャリアのすべてを航空電子工学に捧げてきた。いまは、英国政府などの様々な団体向けに、ドローンを含めた問題に関するコンサルタントとして活躍している。

なぜ、航空専門家とクルマの話をしようというのだろう? それは、これまで自動車メーカートップに対して自動運転について質問した際、自律運転モデルと航空機を比較しつつ、飛行機はすでに数十年にわたってオートパイロットで飛行を続けているにもかかわらず、なぜ自動車ではそれが出来ないのかと、何人もが答えたからだ。

もちろん、わたしはプロのパイロットではないが、プライベートでは欧州の空を飛び回っており、ビジネスジェットとターボプロップ機の副操縦士でもある。空は非常に広大で、すべての航空機がそうであるように管制空域を飛行している限り、つねに監視、追跡されることになる。そして、特に重要なのは、他の航空機と識別されているということだ。

ここで、「衝突が避けられない状況下で、自律運転モデルは子供と老人のどちらを選ぶのか?」や、事故の際の面倒な法律問題についてなどといった、ありきたりの質問をするつもりはない。もちろん、こういった問題は興味深く、重要でもあるが、ヘンリーに聞きたいのは、例えば、システムの冗長性といった技術に関する点についてだ。ちなみに、1969年の就航以来、ボーイング747 ジャンボジェットには、独立した3つのオートパイロットシステムが搭載されていた。

 
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