【なぜマツダ、こんなにファンと関係近い?】ロードスターの存在 広島という土地柄 スバルとの違いは?

公開 : 2020.07.28 12:05  更新 : 2020.07.29 07:14

スバルマツダ 似ていない?

経済メディアでは、マツダとスバルは企業として似ていると表現されることがある。

理由としては、トヨタなど大手と比べて企業サイズが小ぶりなので、ユーザーに対する目配せがしやすいといった観点を挙げられている。

スバルは技術優先のブランドイメージを社員とユーザーが共有している。
スバルは技術優先のブランドイメージを社員とユーザーが共有している。

筆者は長年に渡り、マツダとスバルそれぞれの本社と様々な立場で接してきたが、私見としては、両社の企業体質はあまり似ていないと感じる。

最も大きい要因は、地域性ではないだろうか?

マツダの場合、広島という存在が極めて大きい。社員の多くが、山陰・中国地方、または九州北部の出身で、広島に対する思い入れが強い。

また、広島の人々にとって、マツダは、広島東洋カープに代表されるように「マツダ=広島」という意識がとても強い。

そうした地元愛が、マツダに対するユーザーのロイヤリティ(忠誠心)につながっている。

一方、スバルは群馬県太田市という企業城下町はあるが、本社は長らく東京の新宿駅前にあり、近年は渋谷区恵比寿駅近くに移転。

スバルの従業員の出身は、関東地方各地に分散している。

そのため、地域性での繋がりというより、往年のWRC(世界ラリー選手権)や、近年のニュル24時間など、STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)ブランドを筆頭とする、技術優先のブランドイメージを社員とユーザーが共有している。

メーカーとユーザー これからの関係

このように、マツダとスバルは企業体質や社会背景での違いはあれど、マツダはロードスター、スバルにはSTIという、企業ブランドを象徴する存在があるためファンとの関係が深堀りしやすいし、実際に良き関係を維持できている。

一方で、トヨタ、日産ホンダには、そうしたファンとの強い絆が弱い印象がある。

トヨタGRヤリス(中央)
トヨタGRヤリス(中央)    トヨタ

その中でトヨタは、GRを強化しながら、量産車「GRヤリス」の初期販売が好調であるが、現時点ではまだ、GRファンは限定的で、そこからトヨタブランド全体への波及効果が現れるにはまだかなり時間がかかりそうだ。

日産やホンダも、ニスモや無限があり、スーパーGTやF1は当面続けていくとしても、ファンやユーザーとの関係性について、新たなる方策を示すべき時期だと感じる。

その中で、日産は横浜本社近くに期間限定の日産パビリオンを開設し、「アリア」を筆頭とする未来の日産像を紹介しているが、こうした機会から、さらにもう一歩踏み込んだような秘策はないものか?

メーカーとユーザーが良き関係を築き、単なるユーザーからファンになる。

手作りイベント、ロードスター展を肌で感じながら、未来のくるまのあり方について様々な可能性を思い浮かべた。

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