ポルシェを超えた? 10分で310km分を充電 英ロータス、新型EVで市販最速に

公開 : 2024.06.12 18:05

ロータスの新型EV「エメヤ」が最大402kWという、ライバルを大きく上回る充電速度を達成した。わずか14分で10~80%を充電できるという。

400kW超の充電速度を記録

ロータスの新型EV「エメヤ」が、わずか14分で10~80%という急速充電を達成した。充電速度は市販車最速としている。

発表によると、400kW(600A対応)のDC急速充電器を用いたテストで最大402kW、平均331kWの充電速度を記録したという。これはポルシェタイカンの最大320kWを上回るものだ。

ロータス・エメヤ
ロータス・エメヤ    ロータス

エネルギー効率(電費)を18.7kWh/100kmとすると、エメヤは10分間で最大310kmの航続距離を稼げることになる。ロータスは充電アプリや充電カード、最大450kWのDC急速充電器など独自のソリューションも開発している。

エメヤはロータスにとって2台目の市販EVであり、中国の武漢で設計・生産される新世代の電動4ドア・セダンとして登場した。EV専用プラットフォーム「エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャー(EPA)」をベースとし、従来のロータス車と根本から異なるモデルである。

高性能グレードのエメヤRでは2基の電気モーターを搭載し、合計出力918ps(675kW)、最大トルク100kg-mを発生する。四輪駆動で、0-100km/h加速は2.78秒、最高速度は256km/hに達する。

102kWhの大容量バッテリーを採用し、1回の充電での航続距離は最長610km(欧州WLTP)とされている。

エアサスペンションを標準装備し、前方の道路を毎秒1000回スキャンしてダンパー設定を調整することで、快適な乗り心地を実現する。また、グリルやリアスポイラーを可動式とし、空力性能を最適化。空気抵抗はCd値0.21に抑えつつ、250km/h走行時には最大150kgのダウンフォースを発生するという。

四輪操舵(4WS)も採用され、高速走行時の直進安定性と低速走行時の扱いやすさを両立している。

中国で生産、今秋にも納車開始へ

インテリアでは、スポーティなカーボンファイバー製シートやフラットボトム形状のステアリングホイールを、55.0インチのフロントガラス投影型ヘッドアップディスプレイやデジタルミラーなど先進装備と組み合わせている。

基本的なレイアウトはSUVのエレトレと同様で、デジタル・インストゥルメント・ディスプレイと助手席用ディスプレイ、中央には大型タッチスクリーンが配置される。

ロータス・エメヤ
ロータス・エメヤ    ロータス

ボタン1つで透明・不透明を切り替えるパノラマガラスルーフ、アンビエントライト、マッサージ機能付きシート、サイドドアのソフトクローザーなど快適装備も数多く用意。トランク容量は509Lとなる。

ボディカラーは、ボリアルグレー、ファイアグローオレンジ、ソーラーイエロー、アコヤホワイト、ステラブラック、カイムグレーの全6色を設定。

欧州価格は、ベースグレードのエメヤで10万6400ユーロ(約1800万円)から、中間グレードのエメヤSで12万6950ユーロ(約2145万円)から、高性能グレードのエメヤRで15万990ユーロ(約2550万円)から。

生産は中国・武漢にあるロータスの工場で行われる。欧州では今秋に納車開始予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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