5m超えの高価なステーションワゴン BMW i5 ツーリング 長期テスト(1) 普段使いでの印象は?

公開 : 2025.01.18 09:45

大きなボディを巧みに包み隠す動的能力

英国編集部のスタッフに聞くと、M60 xドライブではなく、ベーシックな仕様のi5 ツーリングの方が印象は良かったと答える。筆者はi7で復数の仕様を乗り比べる機会があったが、確かに同じような印象を抱いた。

とはいえ、i5 M60 xドライブはイイ調子。路面の不整をなかったことにし、重心も低く、動的能力は高そうだ。ステアリングは滑らかで正確。重み付けも丁度いい。大きなボディを巧みに包み隠している。i5 M40との比較も、機会があればしてみたい。

BMW i5 M60 xドライブ・ツーリングと筆者、マット・プライヤー
BMW i5 M60 xドライブ・ツーリングと筆者、マット・プライヤー

都心部での駐車場探しは、ディフェンダー 130ほど困らないだろう。ドアミラーが小さく、慣れるまでは少しバックしにくいと思うが。

既に筆者の子どもたちは巣立っており、実用性に長けたステーションワゴンの必要性は高くない。だが、リアシートに座った家族からの評価は高い。ヒーター付きのシートがうれしいと話す。

荷室は広大。以前の5シリーズのように、リアガラス部分のみ開くことができないのは残念だが、今のところ不満といえるのはその程度。筆者の毎日へ、i5 M60 xドライブ・ツーリングは滑らかに馴染み始めた。

セカンドオピニオ

長く幅が広く重い、i5 ツーリング。運転は大変そうに思えたが、実際はかなり機敏で乗りやすい。パッケージングも優れ、現在の電動BMWの中では最高といっていいだろう。

バッテリーEVへ懐疑的なドライバーでも、乗り換えを検討したいと思えるはず。積極的にプライヤーから鍵を借りて出かけたいと、筆者も考えている。 ウィル・リメル(Will Rimell)

BMW i5 M60 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
BMW i5 M60 xドライブ・ツーリング(英国仕様)

テストデータ

テスト車について

モデル名:BMW i5 M60 xドライブ・ツーリング(英国仕様)
新車価格:9万9995ポンド(約1950万円)
テスト車の価格:11万6060ポンド(約2263万円)

オプション装備

Mアダプティブ・サスペンション・プロ:4000ポンド(約78万円)
コンフォートプラス・パッケージ:3350ポンド(約65万3000円)
テクノロジープラス・パッケージ:3300ポンド(約64万4000円)
サンルーフ:1600ポンド(約31万2000円)
牽引バー:1200ポンド(約23万4000円)
タンザナイト・ブルー塗装:1095ポンド(約21万4000円)
カーボンエクステリア・スタイリング:920ポンド(約18万円)
クラリティ・コントロール:600ポンド(約11万7000円)

テストの記録

航続距離:498km(WLTP値)
電費:5.3km/kWh
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト BMW i5 ツーリングの前後関係

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