実は来日経験アリ ローバー2000 TCZ(2) 量産を拒んだ傘下のブランド SF映画へ登場しそう
公開 : 2025.04.13 17:46
細かな部品はランチアやアルファ・ロメオ由来
インテリアもザガート流。リボン状のスピードメーターではなく、丸いメーターを備えたダッシュボードが独自に製作されている。中央部分のスイッチ類や、高い位置のエアコンの送風口などは変わらないが。
ウッドリムのステアリングホイールも、ザガートが交換したもの。枕状のヘッドレストを備える、スポーツシートも専用アイテム。タン・レザーの風合いが好ましい。

リアシート側は広く、大人でも充分に座れ、4シーターとして使える。背もたれをたためば、長い荷物も載せられる。
シフトレバーは、2000のまま。ドアの内装や細かな部品は、ランチアやアルファ・ロメオから流用されている。ダッシュボード上には、電動のテールゲートを開閉するスイッチがレイアウトされる。
1960年代後半のイタリアの自動車雑誌を振り返ると、低いボンネットラインを実現するため、キャブレターはツインSUからツイン・デロルトへ変更されたと記されている。しかし、現在載るのはSUキャブレターが2基。サウンドは刺激的だ。
ブレーキは、ガーリング社製。シフトレバーはショートストロークで、低い位置のシートへ腰を降ろすと、広いガラスエリアを通じて外界を良く見渡せる。空気抵抗が少なく、車重は軽いため、サルーンの2000より最高速度は10km/h以上高いはず。
アクセルペダルを傾けると、2000rpm前後にフラットスポットがある。とはいえ充分にパワフルで、トップギアに入れたままでも粘り強い。
量産を拒んだ同傘下にあった他ブランド
ステアリングホイールは軽く回せ、レシオは2000と同じでもノーズの動きは軽快。ボディロールも小さく、空気を滑らかにかき分けながら、快適に高速巡航できることは想像に難くない。
こんな素敵なローバーの量産を拒んだのは、同じ傘下にあった他ブランド。デビッド・ベイチュ氏が、P6のクーペを検討していたことも理由の1つにはなったはずだが、開発の進んでいたトライアンフ・スタッグの存在が、大きな障壁になった。

フィアットやランチアの一定の成功を見ると、合理化した製造プロセスを確立できれば、現実的な予算でザガート・ボディのローバーを提供できた可能性はある。2000 TCZへの需要は、英国の内外に存在しただろう。
P6シリーズは、当時の欧州製サルーンで最も完成度の高い1台だった。イタリアやドイツの競合と、劣らず渡り合うことが可能だった。デザインにも敏感な、比較的裕福な層の気持ちを掴むことができていた。
「何年経っても、素晴らしいクルマだと思っています」。ハムシャーが微笑む。初めて見る人は、イタリアン・エキゾチックにしか思えないだろう。ローバーのエンブレムが貼られていても、英国との関係性へ気付ける人は少ないはず。
彼は、2000 TCZの管理者であることを誇りにしている。2000年に作られたザガートも所有しているが、積極的に普段使いすることを、自身の哲学の1つにしている。ロンドンを訪ねれば、1台限りのザガートを見かけるチャンスが巡ってくるかもしれない。
ローバー2000 TCZ(1967年/ワンオフモデル)のスペック
英国価格:−ポンド(新車時)/20万ポンド(約3900万円/現在)以下
生産数:1台
全長:4191mm
全幅:−mm
全高:1245mm
最高速度:193km/h
0-97km/h加速:9.5秒(予想)
燃費:7.8-10.6km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1089kg
パワートレイン:直列4気筒1978cc 自然吸気SOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps/5500rpm
最大トルク:17.3kg-m/3500rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)







































































































