無線アプデで乗り心地が変わる リビアンとR1Tで垣間見る未来(1) ソフト中心のクルマ開発

公開 : 2025.04.12 09:45

トリプルモーターで850ps 航続距離597km

R1Tは、2021年9月の量産開始から間もない2024年末に、大きなアップデートを受けている。新しい駆動用モーターとエアサスペンション、駆動用バッテリーが与えられ、第2世代へ進化した。見た目は変わらないが。

駆動用モーターは、2基から4基まで選択可能。ツインモーターは総合533psで、クワッドモーターなら1025psを得られる。後者の車重は約3.2tあるが、0-100km/h加速を2.5秒でこなすらしい。

リビアンR1T トリ(北米仕様)
リビアンR1T トリ(北米仕様)    撮影:ジェイミー・リプマ(Jamie Lipma)

今回の試乗車は、トリプルモーターのR1T トリ。フロントに1基、リアに2基という構成で、最高出力は850psある。ピックアップトラックで。サイバートラック・サイバービーストと、ほぼ同等の動力性能だと考えて良い。

駆動用バッテリーの容量も、選択肢が広い。R1T トリに積まれるのは、141.5kWhという大容量で、航続距離は597kmが主張される。

リビアンは、既にユーザーの元へ届けられたR1Tを、定期的な無線アップデートで最新状態へ保っている。試乗車には、最新バージョンのインフォテインメント・システムが実装されているが、それも既存のR1Tへ順次無線で届けられるという。

ベンサイドが説明する。「弊社のモデルの決定的な特徴は、時間経過とともに改善されていくことです。オーナーは熱心な方が多く、沢山の機能を求める意見をしばしばいただきます。アップデートが1か月ないだけで、どうしたのか尋ねるメールがあるほど」

無線アップデートで乗り心地が変わる

第2世代へ進化したR1Tの内容の多くは、顧客からのデータに基づいている。新しいドアロックの音から、洗車時のモードまで、細かな変更が無数に含まれているそうだ。

「最も成功したアップデートの1つは、サスペンションですね」。ベンサイドが微笑む。現実世界での評価で、リビアンの技術者は乗り心地が想定通りではないと判断。エアサスペンションの減衰特性を調整するべく、プログラムを組み直したという。

リビアンR1T トリ(北米仕様)
リビアンR1T トリ(北米仕様)    撮影:ジェイミー・リプマ(Jamie Lipma)

「お客様は、ソフトウエアで乗り心地が変わることが信じられないようでした。従来のクルマの場合、ディーラーで納車されたままですが、弊社はソフトウエアで変更できます。それがわたしたちの魔法です。衝撃的かもしれません」

R1Tは、スマートフォンのアプリを通じてロックを解除できる。しかし、英国ではダウンロードできない。それを知っている現地のスタッフは、クレジットカード・サイズのカードキーを筆者に貸してくれた。

ドアを開くと、テスラと似たインテリアが現れる。ダッシュボード中央に、15.6インチのタッチモニターが横向きに据えられている。

しかし、最小限だが、ハードスイッチもちゃんと用意されている。ステアリングホイールには、複数の機能を割り当てられるトグルスイッチがある。タッチモニターの下には、ショートカット・スイッチが並ぶ。

撮影:ジェイミー・リプマ(Jamie Lipma)

この続きは、リビアンとR1Tで垣間見る未来(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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