期待のインスターをコナ側からの視点で語ろう!【ヒョンデ・コナ長期レポート#11】

公開 : 2025.04.22 11:45

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中です。今回のレポートは、ヒョンデ期待のスモールBEV『インスター』について、レポート車であるひとクラス上のBEV『コナ』側の視点で語ります。

「これは日本でも売れそうだ!」

ヒョンデ期待のニューモデル、『インスター』がいよいよ日本に上陸した。こうしてヒョンデの長期レポートを担当していることもあり、日頃ニュースはウォッチしているのだが、UK編集部の紹介レポートがあがった時は結構興奮してしまった。「これは日本でも売れそうだ!」と。

日本で発表されたのは今年の東京オートサロン会場で、それもレポート自体は掲載させて頂いたが、私自身は諸事情で取材を直前でキャンセル。インスターと対面することができなかった。その後も何度かチャンスを逃し……。

ヒョンデ・インスター(左)とレポート車のヒョンデ・コナ。
ヒョンデ・インスター(左)とレポート車のヒョンデ・コナ。    山本佳吾

ということで、今回のテーマとなる試乗会はかなり期待して臨んだ。試乗会のレポート自体は森口将之さんと内田俊一さんにお任せしたのでそちらをご覧頂くとして、ここでは同じヒョンデのコナを担当する側の視点で、インスターについて見ていこう。

まずは、こちらのデータをご覧頂きたい。グレードはコナがエントリーグレートのカジュアル(ちなみにレポート車はラウンジ)、インスターがトップグレードのラウンジだ。

全長:コナ4355mm / インスター3830mm
全幅:コナ1825mm / インスター1610mm
全高:コナ1590mm / インスター1615mm
ホイールベース:コナ2660mm / インスター2580mm
車両重量:コナ1650kg / インスター1400kg
室内長:コナ1974mm / インスター1920mm
室内幅:コナ1514mm / インスター1375mm
室内高:コナ1197mm / インスター1205mm
トランク積載量:コナ466L / インスター280L
積載長:コナ867mm / インスター615mm
積載高:コナ706mm / インスター620mm
最大積載幅:コナ1332mm / インスター1185mm
最少積載幅:コナ1042mm / インスター915mm
一充電走行距離:コナ456km / インスター458km
価格:コナ399万3000円 / インスター357万5000円

こうして見るとかなりサイズ差があるのだが、航続距離はほぼ同じと、購入比較対象としてはかなり興味深いものとなった。

約40万円プラスでコナが買えてしまう

小さいクラスの最上級グレートにするか、ひとクラス上のベーシックグレートにするか。これはどんなメーカー、ブランドでもよく発生する話だと思う。コナはカジュアルを、モーター出力もバッテリー容量も抑えたエントリー車として販売しており、単純に価格だけで比べると、約40万円プラスでコナが買えてしまうのはかなり悩みどころだ。

ちなみにコナのカジュアルに乗ったことはないが、ラウンジと比較すると1770→1650kgと120kgも軽い。最高出力が204ps→135psと落ちてはいるものの、最大トルクは同じ26.0kg-mとなっており、車名のとおりカジュアル、軽快な走りが予想される。

小さいクラスの最上級グレートにするか、ひとクラス上のベーシックグレートにするか。
小さいクラスの最上級グレートにするか、ひとクラス上のベーシックグレートにするか。    山本佳吾

ただし、インスターはボディサイズがこれだけ小さいので、コナのカジュアルよりさらに250kgも軽い。試乗会にはコナで向かって現地でインスターに乗り換えたわけだが、その違いははっきりと軽快感として乗り味に表れていた。

一方、両車に共通するのは、街中での乗りやすさだ。前回のレポートで書いたとおり、コナの日本仕様はアクセルのレスポンスが抑え気味になっているのだが、インスターでも日本向けに同様のセッティングを行っているという。だからか、街中での加速が実に自然で、いい意味でEVを意識せずに乗ることができるのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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