サーブ博物館(Saab Car Museum) マニア必見の展示車両 20選 知られざる宝物たち
公開 : 2025.04.19 18:45
スウェーデンのサーブ博物館には、奇妙で興味深いサーブ車が数多く保管されています。同館は一度閉鎖の危機を迎えたものの、地元の町民や関連企業の支援によって存続。誇り高き自動車メーカーの歴史と技術を今に伝えています。
もくじ
ー貴重なコレクションを大切に保管
ー92(1950年)
ーソネット(1956年)
ーモンストレット(1959年)
ーモンストレット(1959年)
ーソネットII(1966年)
ー99エレクトリック・バン(1976年)
ー99ターボ(1977年)
ー900 GLE(1979年)
ー96 V4(1980年)
ー900サファリ(1981年)
ー900サファリ(1981年)
ー900カブリオレ(1983年)
ーEV-1(1985年)
ー9000エアロ(1996年)
ー9-3ビゲン(1999年)
ーSVC(1999年)
ー9-2X(2004年)
ー9-7X(2004年)
ー9-5(2010年)
ー9-4X(2010年)
ー9-3インディペンデンス・エディション(2011年)
ー9-3レトロターボ(2017年)
貴重なコレクションを大切に保管
サーブ博物館(Saab Car Museum)を軽視してはいけない。「当たり前の存在」と捉えるべきではないのだ。
2011年9月、スウェーデンの執行当局が同館のコレクションのすべてを差し押さえ、サーブの債権者に支払うために1台ずつオークションにかける計画を発表した。しかし、サーブの故郷であるトロルヘッタンの町、防衛企業サーブAB、ワレンベルク記念財団は何百万ドルもの資金を投じてコレクションをひとつ屋根の下で保管し、博物館を存続させることで、サーブの輝かしい過去を未来に伝えられるようにしたのである。

今回は、現存する最古の900からコルベットエンジン搭載のSUVまで、サーブ博物館に展示されている珠玉の逸品や秘蔵のコレクションの一部をご紹介しよう。
92(1950年)
1950年、サーブは初の量産車『92』を発表した。2気筒2ストロークエンジンを搭載し、3速マニュアル・トランスミッション(フリーホイーリング機能付き)を介して前輪に25psの出力を伝達した。前輪駆動システムと、航空機からインスピレーションを得た空力特性に優れたデザインにより、92は当時最も先進的なクルマの1つとなった。基本設計は1980年まで使われ続けた。
ソネット(1956年)
サーブがスポーツカーの世界に参入するのに時間はかからなかった。同社のエンジン開発者の1人であるロルフ・メルデ氏が、友人やエンジニア仲間の協力を得て納屋で最初の『ソネット』を製作した。サーブは2000台の量産を計画し、このクルマで欧州縦断レースへの出場を目指したが、レギュレーション変更により、改造した市販車を出場させることが認められると、コスト効率の観点からソネットの開発を中止した。
ここに写っている青い車両は、6台製造されたソネットのうちの5台目である。2ストローク3気筒エンジンを搭載し、最高出力57psを発生する。サーブの説明によると、本格的なスポーツカーとしてだけではなく、ツーリングカーとして出力を抑えた仕様も用意していたという。

モンストレット(1959年)
ラリーでの覇権を求めた結果、3気筒エンジン2基を融合させた2ストローク直列6気筒エンジンが誕生した。サーブのエンジニアは、この最高出力138psの直6を、ほぼノーマルルックの93に無理やり搭載した。ちなみに、1959年に一般ドライバー向けに販売された93のエンジンの出力は33psであった。
(次項に続く)
