最大の難所も驚くほど滑らか 社長のジープ・ラングラーで悪路へ(2) ブランドを強化する走破体験
公開 : 2025.04.29 19:06
英国の未舗装路「グリーンレーン」の利活用を進めるジープ サイドウォール損傷が最大のリスク 驚くほどの自信を与える社長のラングラー 最大の難所も驚くほど滑らか UK編集部が悪路へ
悪路で驚くほどの自信を与えるラングラー
冒険家、ラッセル・ダイクス氏の選んだ走行ラインを辿れるのは、大きな助けになる。それでも、ジープ・ラングラー・ルビコンは驚くほどの自信を悪路で与えてくれる。
人工的なトレイルコースは何度も運転したことがあるが、自然の中の方が、深く実力を理解できることは明らか。ジープUKの社長、クリス・チョルモンドリー氏の説明通り。

湖水地方のグリーンレーン、「ザ・フォックス」の後半はラリーステージでもあり、比較的平坦。舗装路へ戻り、更に西のニブスウェイトを目指す。距離はさほど離れていないが、景色が目まぐるしく変化するのが面白い。
グリーンレーンを走る「グリーンレーニング」では、スピードは20km/hが推奨されている。ダイナミックな写真を撮れるよう、大きな水たまりではもう少し加速したけれど。
ニブスウェイトの急勾配を登ると、開けた荒野が待っていた。前後左右に絶景。1時間半ほど運転したが、すれ違ったのは2名のサイクリストと、犬を連れた2名の歩行者のみ。初夏の新緑が清々しい。
筆者の後ろを走るのは、ジープUKの担当者が載るもう1台のラングラー。彼はロンドン育ちだそうだが、グリーンレーンへ怯む様子は見られない。
最大の難所も驚くほど滑らかに進める
「アウトドアを謳歌することを後押しする弊社で働けるのは、光栄ですね。似たようなブランドが多すぎると感じています。ベージュを減らして、ジープらしさを出すべきだと主張しています」。強みを活かしたいと考える、チョルモンドリーが続ける。
「英語の辞書に載っている、唯一の自動車ブランドがジープです。多くの人が知っている輝かしい自動車メーカーですが、その歴史を思い出していただく必要もあります。重要なのは、明快さと物語性。明確なビジョンとストラテジーを体現する力が必要です」

北へ進み、コニストン・ウォーター湖を過ぎて、ホッジ・クローズへ。この付近のグリーンレーンは、使われなくなった農家や、採石場の脇を通り抜けている。
自動車がグリーンレーンを走ることで、路面が傷むという認識は誤りだと、彼が指摘する。尖った岩が無数に露出しているが、ラングラーなら余裕。ホッジ・クローズも風光明媚な場所だ。
左右から伸びる木の枝がボディに当たり、ギュイッーと嫌な音を立てる。筆者は、思わず顔をしかめる。タイヤの側面を岩へ引っ掛けないよう、ステアリングへ集中する。
今回の難所といえたのが、巨大な岩を乗り越えつつヘアピンカーブを左右に登るというもの。かなり難しいと想像していたが、驚くほど滑らかに進める。ダイクスは、岩の角がシャシーに当たるかもしれないと無線で忠告するが、無傷で這い上がれた。
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