ケータハム・セブン CSR20でマッハループへ(2) NAエンジンと5速MTの素晴らしいマリアージュ

公開 : 2025.05.07 19:06

締まりのある快適な乗り心地 敏捷な身のこなし

2000年代に登場したオリジナルのCSRの乗り心地を、当時のAUTOCARは褒め称えた。2025年でも、他のセブンでは味わえない快適性といえる。柔軟にサスペンションは上下するが、姿勢制御はタイト。バネ下重量が軽く、制御は難しくないのだろう。

ボディは通常よりひと回り大きく、純粋性は薄れているかもしれないが、個性は薄れていない。ケータハム・セブンへ乗るのが初めてなら、CSRトゥエンティでも、敏捷さに言葉を失うはず。

マッハループを飛行する英国空軍機
マッハループを飛行する英国空軍機    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

マッハループへ到着してすぐ、左側から轟音が響き出す。湿った丘を駆け登るやいなや、翼端から雲を引いたF-15戦闘機が目前をすり抜ける。左へ急旋回し、視界から姿を消していった。

F-15の重さは、1万4300kgあるらしい。ジェットエンジンを積めば、質量を打ち消し、鋭い操縦性を得られるようだ。

気持ちを上げてくれるルートとクルマ

渓谷を縫うように、気持の良い道が伸びている。フォトグラファーとお茶をしながら、しばらく眺めていると、T1練習機がその道沿いに飛んでいった。

セブン CSRトゥエンティを再び発進させ、1kmも進まない内に、エアバスA400M輸送機が上空をかすめ飛んでいった。静かにゆうゆうと弧を描きながら、地平線へ機影が溶けていく。

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)
ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

パワフルなケータハムで、飛行機の低空飛行を擬似体験できるとまではいわない。しかし、このクルマとこのワインディングは、充分に気持ちを上げてくれる。こんな感覚なんじゃないかと、想像を膨らませるのには最適なペアだ。

ケータハム・セブン CSRトゥエンティ(英国仕様)のスペック

価格:7万9995ポンド(約1560万円)
全長:3360mm
全幅:1700mm
全高:−mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:12.4km/L(試乗時)
CO2排出量:−g/km
車両重量:620kg
パワートレイン:直列4気筒1999cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:213ps/7600rpm
最大トルク:20.7kg-m/6300rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ケータハム・セブン CSR20でマッハループへの前後関係

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