メルセデスAMG、6月に高性能セダン発表へ 1000ps超の電動版『GT 4ドア・クーペ』か

公開 : 2025.04.30 06:45

メルセデスAMGはブランド初のEV専用モデルを6月に発表する予定です。AMGで独自開発した高性能の4ドア・セダンで、小型軽量の新世代モーターを搭載。GT 4ドア・クーペの事実上の後継車と見られます。

AMG初のEV専用モデル パフォーマンス重視

メルセデスAMG初の専用EVの正式発表まで、あと数週間となった。ポルシェタイカンと競合する超高出力のスーパーセダンのお出ましだ。

このモデルはV8エンジン搭載のGT 4ドア・クーペの実質的な後継車であり、革新的なドライブトレイン技術を搭載し、AMG史上最もパワフルなロードカーとなる見込みだ。

メルセデスAMG初のEV専用モデルの予告画像
メルセデスAMG初のEV専用モデルの予告画像    メルセデスAMG

メルセデスAMGは2022年、『ビジョンAMG』と名付けられた4人乗りのコンセプトカーを公開し、母体であるメルセデス・ベンツのEVと、AMG独自のスポーツEVをどのように差別化するかを示した。

新型車はこのコンセプトの量産バージョンで、SLS、GT、GT 4ドア・クーペに続く、4台目のAMG専用モデルとなる。

現在、メルセデスAMGはSNS上でセダンのシルエット画像を投稿し、6月にフルデザインを公開すると述べている。ただし、具体的な日程はまだ明らかにされていない。

画像を見る限り、メルセデス・ベンツEQEEQSよりも明らかにパフォーマンス重視で、はるかに低くシャープなシルエットとなっている。6つの円形テールライトやレーシングカー風のディフューザーなど、特徴的なデザイン要素を備えている。

3月にはプロトタイプの画像が公開され、ビジョンAMGコンセプトの基本スタイルを忠実に踏襲することが明らかになった。長く突き出たボンネットを備え、最低地上高とルーフラインが低いことがわかる。ただし、サイズ感はポルシェ・タイカンやルーシッド・エアなどに近く、広い後部座席と大きなトランクを備えたラグジュアリースポーツカーとなる可能性もある。

また、ダウンフォース強化と空力効率の向上のため、可変リアスポイラーとフラッシュ式ドアハンドルを採用するほか、分割式リアウィンドウも備えているようだ。コンセプトカーで目を引いたテールライトの進化形が、カモフラージュの下に隠れているように見える。

このモデルはハイパフォーマンスEVとして一から設計され、加速性能だけでなく、ダイナミクスと運転の楽しさも重視していると予想される。

パフォーマンス重視のEV専用プラットフォーム『AMG.EA』を量産車として初めて採用し、ヤサ(YASA)社が開発した小型・高出力のアキシャルフラックスモーター(軸方向磁束モーター)を搭載する。

ヤサのティム・ウールマーCEOによると、モーターの重量はわずか24kgで、81.5kg-mのトルクと480psの出力を発生するという。

これを2基併用すれば、合計出力約1000psと140kg-mのトルクも十分に射程圏内だ。

興味深いことに、メルセデス・ベンツの『ビジョン・ワンイレブン』コンセプトでは2基のモーターがいずれもリアアクスルに搭載されていた。ワンイレブンの発表では、後輪に両モーターを配置することによるパッケージングの利点が強調された。フロントエンドを地面にできるだけ近づけることで空力効率を最大化できる一方、コンパクトなモーターにより、十分な荷室スペースを確保できるからだ。

新型車にこのようなレイアウトを採用すれば、理論上、V8エンジン搭載のGT 4ドア・クーペと同等の実用性と史上最強のパフォーマンスを実現する、正真正銘のスーパーツアラーとなる可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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