0-400mダッシュ命(1) 10秒で勝敗が決るドラッグレース 心を躍らせる爆速マシンたち

公開 : 2025.05.31 17:45

シボレー・シェベル

オーナー:クリス・グッドール氏

アメリカのドラッグレーサー、フランク・ルッソ氏の手で作られたのが、この1969年式シェベル。「20年ほど走らせています。手放した時期もありましたが、買い戻して、1970年代の姿へレストアしました」。オーナーのクリス・グッドール氏が話す。

シボレー・シェベル
シボレー・シェベル    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

エンジンは、シボレーのビッグブロックV8で760馬力だとか。400m先のゴールラインは10秒以下で通過し、210km/hへ達するという。1970年代にはサンタポッド・レースウェイなどのレースを戦っていたが、その後は公道を走っていた時期もあったらしい。

サイドウインドウに並ぶステッカーは、1969年当時から貼ってあるものだという。「ステッカーには復刻版も混ざっていますが、当時の通り貼り直してあります。すべてのサインも。あるべき姿に戻ったといえます」

ムーンアイズ・レイル・ドラッグスター・レプリカ

オーナー:チコ・コダマ氏/シゲ・スガヌマ氏

ドラッグレースの黎明期に名を馳せたブランドの1つが、ムーン・イクイップメント・カンパニー。高校時代にリンカーン・マーキュリーのディーラーでバイトをしていた、ディーン・ムーン氏によって、アメリカ・カリフォルニア州で創業している。

ムーンアイズ・レイル・ドラッグスター・レプリカ
ムーンアイズ・レイル・ドラッグスター・レプリカ    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

キャブレター用の燃料供給ブロックを独自に開発し、1950年代半ばにはドラッグレースで一目置かれる存在に。ディズニーのアニメーターが描いた、目玉のロゴを掲げたワークショップは1957年にオープンし、その後、日本の横浜にもガレージが置かれた。

1987年にディーンはこの世を去るが、チコ・コダマ氏とシゲ・スガヌマ氏がブランドを買収。歴史の継承を決めた。「このマシンのオリジナルは、フロリダ州のドン・ガーリッツ・ドラッグレース博物館に展示されています。その完全なコピーです」

カリフォルニア州にあるムーンの本拠地は、営業を続けている。そのチームも、「ドラッグスタルジア」へ応援に駆けつけたそうだ。1963年9月のシルバーストン・サーキットでのイベントでクルーが着ていた、復刻版のチームウエアをまとって。

ダッジ・コロネット

オーナー:アンディ・ボサムワース氏

1966年式コロネットを誇らしげに紹介するのは、アンディ・ボサムワース氏。15年ほど前に購入したそうだ。「当時はもっとストリートカー風の見た目でした。でも、今でも公道OKです」。エンジンは8.1Lへボアアップされ、685馬力あるという。

ダッジ・コロネット
ダッジ・コロネット    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

レースの規定に則り、サスペンションの形式に手は加えられていない。「1960年代のアメリカで誕生したレギュレーションが、ベースにあります。フォードやシボレーなど多くのメーカーが、流行に乗りました。ドラッグレースは売上に貢献したんです」

クライスラーのヒストリック部門へ、このコロネットの照会を頼んだところ、ハリウッドのディーラーで販売されたことがわかった。「新車時は、手頃なお買い物グルマ、といった感じだったのでしょう。それから時間を経て、まったく違うクルマへ化けましたね」

この続きは、0-400mダッシュ命(2)にて。

執筆:Ryan Standen(ライアン・スタンデン)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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