スバルが新型スポーツモデルをサプライズ発表!ジャパンモビリティショー2025で公開確定【今後も続々と市場導入】

公開 : 2025.06.02 09:05

スバルが今後、『尖ったスポーツモデル』を続々と市場導入することが判明しました。同社幹部がスーパー耐久シリーズ2025富士24時間で明らかにしたものです。現地で会見に参加していた桃田健史がレポートします。

現場で鍛えた技術を量産車へフィードバック

SUBARU(以下、スバル)が今後、『尖ったスポーツモデル』を続々と市場導入することが分かった。同社幹部がスーパー耐久シリーズ2025富士24時間(決勝:5月31日〜6月1日)で明らかにした。

会見のタイトルは『スーパー耐久シリーズの“戦い方”説明会』だったため、このタイミングでの新型量産モデルに関する情報開示を予想していたメディアはいなかった。まさに、サプライズである。

あえて画像をぼやかした状態で、新型スポーツモデルの車両イメージを世界初公開!
あえて画像をぼやかした状態で、新型スポーツモデルの車両イメージを世界初公開!
    桃田健史

会見ではまず、スーパー耐久の現場で鍛えた技術を量産車へフィードバックした技術を紹介した。

それによると、『BRZ』向けのスバルスポーツドライブ『e-Tune』がある。昨年中盤まで参戦していたBRZのレースマシンで検証した、エンジン制御のリプログラミングを事業化した形だ。

また、量産に向けた将来技術として、カーボンニュートラル燃料のターボエンジン適合を進めている。昨シーズン中盤から導入した『スバル・ハイパフォーマンスXフューチャーコンセプト』では、ターボチャージャーによる大出力を実現しているが、カーボンニュートラル燃料を上手く使うため苦労した結果、現在のような安定して走行が実現したという。

そのほか、航空宇宙分野事業で発生するカーボン関連の端材などを再利用している。スバル・ハイパフォーマンスXフューチャーコンセプトのボンネット、リアウイング、ドア向けに活用。また、自社向けのみならず、『マツダ・スピリットレーシング3フューチャーコンセプト』向けにもボンネットを提供している。

尖ったモデルや、新型エンジン導入も

AWD(全輪駆動)の技術開発では、内燃機関のみならず、スバル独自で開発を進めているBEV(電気自動車)の開発メンバーも、スーパー耐久シリーズの現場を通じて量産に向けた様々な技術の発案に結びついているともいう。

こうしたスーパー耐久シリーズでの知見や、スバルとして現時点での技術アセット(資産)を活用した新型スポーツモデルを、10月のジャパンモビリティショーで公開する。

富士スピードウェイで行われた、スーパー耐久シリーズ2025富士24時間のスバル会見。
富士スピードウェイで行われた、スーパー耐久シリーズ2025富士24時間のスバル会見。    桃田健史

あえて画像をぼやかした状態で、車両イメージは世界初公開された。

取締役専務執行役員チーフテクニカルオフィサー(最高技術責任者)の藤貫哲郎氏は「スバルっぽい、面白いクルマを企画したい」と言い切る。同氏は4月から商品事業本部も統括している。

また、このモデルとは別に「もう少し先には、さらに尖ったスバルらしいクルマ」の市場導入も計画中だという。

加えて驚いたことに、次期水平対向エンジンの本格的な開発に着手していることも明らかにした。

会見では大崎篤CEO(最高経営責任者)が立会った、エンジンベンチテストの『火入れ式』の様子も紹介。現状で3種類ある水平対向エンジンをこの新型エンジンひとつに集約させるという。

藤貫氏はこれを『標準エンジン』と呼び、ハイブリッドなどの電動化への対応も検討するとした。排気量、気筒数、過給の有無などについては今回、未公開。同エンジンの開発を今後、スーパー耐久の場でも行う計画だ。

競争環境が極めて厳しいグローバル自動車産業界を勝ち抜くため、スバルの新たなる挑戦が始まる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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