【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#12 これが人生最後のレース!

公開 : 2025.06.20 12:05

たったの300万円で、これだけ不安になれる!

そう思いつつ、1000万円以上の現金を持参して(!)田園都市線・南町田の駅に降り立ち、店に向かった。

それに比べたら大貴族号は、たったの200万円! それでフェラーリV8エンジンが付いている。プラス整備費がだいぶ行っちゃってそうだけど、それでも300万円以内だろう。あの時と比べると、超ウルトラハードルが低い!

1日かけて左側だけ終えた、白サビに侵食されたドアモール磨き。次回はいよいよ納車!
1日かけて左側だけ終えた、白サビに侵食されたドアモール磨き。次回はいよいよ納車!    岡本和久

つーか、300万円ぽっちじゃ、国産車だってそうそう買えない世の中じゃないですか。そう考えると、大貴族号はものすごくお買い得だ。たったの300万円で、これだけ不安になれるんだから!

ルンルンの納車なんてロマンがない。約束された勝利でしかない。ガチなレースのスタート前は、誰だって緊張する。この不安はソレだ! これからオレは、大貴族号とのレースに突入するのだ! 人生最後のレースに!

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は7月4日金曜日公開予定)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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