【21世紀のワーゲンバス】フル電動ミニバン『フォルクスワーゲンID.バズ』日本上陸!ライバルは国産LLクラス?
公開 : 2025.06.23 10:45
6月20日、フォルクスワーゲン・ジャパンはフル電動ミニバン『ID.バズ』を発表しました。そのルーツともいうべき『タイプ2』や、最近のフォルクスワーゲンの動向などを合わせて、篠原政明が紹介します。
タイプ2って、どんなクルマだった?
6月20日、フォルクスワーゲン・ジャパンはフル電動ミニバンの『ID.Buzz(アイディー・バズ』(以下ID.バズ)を発表した。そのルーツともいうべき『タイプ2』や、最近のフォルクスワーゲンの動向などを合わせて紹介していこう。
ID.バズは、『ワーゲンバス』の愛称で永年親しまれてきた、フォルクスワーゲン・タイプ2のヘリテージを継承しながら、フォルクスワーゲンの新たなアイコンとなるべく開発された、唯一無二のフル電動ミニバンだ。

ID.バズを解説する前にタイプ2について簡単におさらいしておこう。1945年、第2次世界大戦の終結後に量産を開始されたのが、フォルクスワーゲンのビートル。だがビートルというのは形状から名づけられた愛称で、正式車名は『タイプ1』だった。続いて1950年に登場したのが、タイプ2だった。
だが、タイプ2というのはタイプ1に続いて登場したという愛称で、カタログ上の正式車名は『トランスポーター』だった。それゆえ、世代によってT1、T2などと呼ばれ、1990年に発表されたT4は日本でも『ヴァナゴン』の車名で輸入販売された。
タイプ2はT1にあたり、ビートルをベースとしながらシャシーを強化したRRのワンボックスカーだ。本国ドイツをはじめ欧州市場で人気を集め、特に北米市場では1960年代のヒッピー文化の象徴として、若者を中心に愛された。日本でもワーゲンバスの愛称で親しまれ、今もファンは多い。
自由、独立心、エモーショナルで親しみやすいといった、これまでのクルマになかったまったく新しい文化や価値観を創造したタイプ2。今日まで続くフォルクスワーゲンのブランドイメージ形成に貢献し、現在も同社クラシックモデルの代表として、世界中の多くのファンを魅了している。
そんなワーゲンバスを、最新の電気自動車の技術を投入して21世紀に蘇らせたのが、このID.バズというわけだ。
日本仕様はホイールベース違いの2種を設定
そんなタイプ2をオマージュして登場したID.バズの特徴は、細部にわたり貫かれたアイコニックなデザインエレメントだ。
ショートオーバーハングのプロポーション、フロントフェイスに冠された特大のVWロゴ、現代風にアレンジされたクラシックなスライディングウインドウ、そして2トーンカラーの色分けラインにもなっている、V字型のフロントパネルを備えた象徴的なフロントフェイスは、時代を超えて愛されてきたワーゲンバスのデザインをオマージュしたものだ。

日本仕様は、2-2-2のレイアウトを採用し2列目センターをウオークスルーとした6人乗りノーマルホイールベース(NWB)仕様と、2-3-2のレイアウトでホイールベースを約250mm伸長した7人乗りロングホイールベース(LWB)仕様の2種類を設定。
LWB仕様の荷室積載量は最大2469Lと広大で、脱着可能な3列目シートにより、さまざまなアレンジが可能。パワースライドドアとテールゲートにはイージー オープン&クローズ機能が搭載されている。
パワーユニットは、最高出力210kW(286ps)と最大トルク560Nmを発生する電気モーターで後輪を駆動する。バッテリー容量は、LWB仕様が91kWh、NWB仕様が84kWhで、140〜150kWの急速充電と普通充電に対応する。一充電走行距離は、LWB仕様が554km、NWB仕様が524kmだ。
最新の運転支援システムはトラベルアシストやレーンアシストなどを標準装備。快適装備は、NWB仕様がステアリングヒーターなどを、LWB仕様はLEDマトリックスヘッドライト、リラクゼーション機能(運転席&助手席)、20インチアルミホイールなどをそれぞれ標準とする。パッケージオプションも用意される。
車両価格は、NWB仕様の『プロ』が888万9000円、LWB仕様の『プロ・ロングホイールベース』が997万9000円だ。




























































































































































