BYD 大型SUV人気に注目、新型『B5』欧州導入へ 686馬力のプラグインハイブリッド

公開 : 2025.07.07 18:45

BYDは来年、プラグインハイブリッドの新型『B5』を欧州に導入します。ランドローバー・ディフェンダーなどに対抗する高級オフローダーで、バッテリーEV以外のラインナップ拡大という役割も担っています。

プレミアム志向のオフロード車

BYDは、優れたオフロード性能とスーパーカー並みのパワーを備えた高級プラグインハイブリッド車『B5』を、来年欧州に導入する予定だ。

このモデルは、BYDのSUV専門サブブランド、ファンチェンバオ(方程豹、Fangchengbao)が展開する3車種のうちの1つで、昨年中国で『Bao 5』として発売された。ただし、欧州ではデンツァ(騰勢、Denza)ブランドから販売されることになる。

デンツァブランドから販売される新型『B5』
デンツァブランドから販売される新型『B5』    BYD

デンツァは、BYDとメルセデス・ベンツの合弁会社として2010年に設立されたが、現在はBYDが100%出資している。

B5は、2026年の販売開始に先立ち、今週英国で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでデビューする予定だ。

ファンチェンバオ車の欧州導入には、BYDのパワートレインのラインナップを多様化し、新たな市場セグメントを開拓するという狙いがある。同社のステラ・リー社長は昨年、AUTOCARのインタビューで、このSUVシリーズは「英国で非常に人気が出るでしょう」と語っている。

特に英国では、ランドローバーディフェンダーをはじめ大型高級SUVの人気が高いが、BYDはこれまでこうしたモデルを投入してこなかった。リー氏はその需要に期待し、「英国の道路は狭いですが、このような大型のSUVオフロード車が愛されています。そのため、ファンチェンバオは英国市場に投入されるでしょう」とした。

B5の仕様詳細については未確認だが、中国仕様車とほとんど変わらないと予想される。中国で販売されているモデルは、『DMOスーパーハイブリッドオフロード』と呼ばれるラダーフレームプラットフォームを採用し、1.5Lターボエンジンと2基の電気モーターで構成されるプラグインハイブリッド・システムを搭載する。

このシステムは合計出力686psと最大トルク77.5kg-mを発生し、ディフェンダーのパワーを上回る。

構造の一部としても機能する31.8kWhの大容量バッテリーは、中国のCLTCサイクルで最大125kmのEV航続距離が可能だが、実環境での距離は80km前後になる見込みだ。

欧州でのEV普及が低迷する中、BYDはハイブリッド車のラインナップを大幅に拡大する。来年にはさらに、BMW 3シリーズに相当するプラグインハイブリッド・セダン/ステーションワゴン『シール06』を導入する予定だ。

シューティングブレイクのデンツァZ9 GTも、プラグインハイブリッドまたは純EVモデルとして販売される。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのBYDブースでは、レクサスLMに対抗する「ビジネスクラス」の高級ミニバン、デンツァD9も展示される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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