スバル次期型『BRZ』欧州導入の可能性 EVとしての復活を「検討中」 ファンの期待に応える

公開 : 2025.08.01 18:45

スバルは3代目『BRZ』を欧州市場に導入する可能性があります。現行型は環境規制や安全規制の影響で販売されていません。同社幹部はファンの要望に応えるため、次期型のEVバージョンを検討中だと認めました。

現地の規制に対応 現行型は未導入

スバルは、3代目となる次期型『BRZ』を欧州に再導入することを検討しており、EVとなる可能性もある。

同社幹部はAUTOCARに対し、熱狂的なファン層に対応するため、欧州のスポーツカー市場に復帰することについて幅広い議論を行っていると語った。

スバルBRZ(初代)
スバルBRZ(初代)

2020年の初代BRZの販売終了以来、欧州にはスポーツカーを投入していない。現行型の2代目モデルは2022年に米国や日本などの市場で発売されたが、欧州では兄弟車であるトヨタGR86しか導入されず、さらに厳しい排出ガス規制や安全規制により、販売台数は制限されていた。

しかし、スバルの欧州責任者であるデビッド・デロ・ストリット氏は、BRZがEVとして欧州に再導入される可能性があることを明らかにした。同氏はAUTOCARに対して、「選択肢は開かれています」と述べた。

グローバルEV製品責任者である井上正彦氏も、同様のコメントを残している。AUTOCARの取材に対し、井上氏はBRZのEVバージョンが「検討中」であり、長年のパートナーであるトヨタとも過去に真剣に検討していたことを認めた。

しかし、タイミングが重要であるとして導入には慎重な姿勢を見せている。「BRZとGT86(初代86)の電動化も検討しましたが、現時点では双方にメリットのある結果を得ることができません」と同氏は述べた。

スバルは2023年に発表した、やや高めの車高とがっしりとしたプロポーションが特徴のスバル・スポーツ・モビリティ・コンセプトで、電動スポーツクーペのアイデアを披露している。

スバルは現在、クロストレック、アウトバック、フォレスターに加え、新型EVのアンチャーテッド、Eアウトバック(米国ではトレイルシーカーとして販売)、改良新型ソルテラなどを投入し、グローバル規模でラインナップを拡大している。

ストリット氏は、スポーツ志向のモデルを欧州に投入するには、まず実績が必要だと述べた。特にアンチャーテッドはそうだという。「スバル愛好家からの支持は非常に前向きなものですが、まずはアンチャーテッドの反響を見極める必要があります」

現在のBRZに電動パワートレインを搭載する可能性について尋ねると、井上氏はパッケージングの制約から「難しい」とし、EVとして開発し直す方が「簡単」だと述べた。

ストリット氏は、ビジネス的な観点から、限定販売のGR86のように、現在のBRZを「欧州に100台」程度投入したとしても長期的には意味がないとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事