名門MGの原点 オールドNo.1とスーパースポーツ・サロネット(1) 軌道修正が導くブランド像

公開 : 2025.08.23 17:45

サロネット・ボディはカーボディーズ社製

マイク・デイカー氏が現オーナーの14/28スーパースポーツは、シャシー番号が90553。1.8Lエンジンを載せ、1925年5月8日にモーターズ側をラインオフしている。

ガレージズ側へ届けられた後、コーチビルダーのカーボディーズ社でサロネット・ボディを架装。6月に販売されたが、MO 6709でナンバー登録されたのは、12月9日だった。サロネットは1925年に6台作られているが、現存する唯一だという。

MG 14/28スーパースポーツ・ブルノーズ・サロネット(1925〜1926年/英国仕様)
MG 14/28スーパースポーツ・ブルノーズ・サロネット(1925〜1926年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

初代オーナーの情報は不明ながら、1928年に新エンジンへ換装。1970年代前半を、グレートブリテン島南東部のエセックス州で過ごし、カーコレクターのシャープ一家が購入する。ラムズギット・モーター博物館へ展示されるが、2005年に売却された。

オークションでの落札額は、状態の良さを反映し、当時で4万2300ポンド。だが、エンジンを降ろした徹底的なレストアを経て、80年前にカーボディーズ社のワークショップを旅立った時のような姿を取り戻した。

後方へ伸び尖ったボートテール

内装はほぼ新調済みだが、メーター類や一部の装飾はオリジナル。デイカーは2021年に入手し、カーイベントへ積極的に参加している。2023年のコンクール・デレガンスでは、2位の高評価を得たという。

特徴的なブルノーズと呼ばれるラジエーターがなければ、モーリス・モーターズのシャシーがベースだと、知識を持つ人でもすぐには気づかないはず。左右2枚に別れたフロントガラスが、時代を物語る。天井を見上げると、歴代最小級のサンルーフが備わる。

MG 14/28スーパースポーツ・ブルノーズ・サロネット(1925〜1926年/英国仕様)
MG 14/28スーパースポーツ・ブルノーズ・サロネット(1925〜1926年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ワインレッドとブラックのツートーンが、ディスクホイールと魅力的な佇まいを織りなす。特徴といえるのが、フェンダーより後方へ伸び、尖ったボートテール。フロントガラス前に突き出た2本のインテークとともに、マリンスタイルで統一されている。

荷室は広く、ツールボックスも備わる。三角プレートの中央は、ブレーキランプ。鋭い減速に後続車が驚かないよう、四輪ブレーキであることが警告されている。

この続きは、オールドNo.1とスーパースポーツ・サロネット(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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