次世代グリルと39.1インチタッチスクリーン採用 メルセデス・ベンツ新型『GLC』欧州発売 約1200万円から

公開 : 2025.10.27 06:45

メルセデス・ベンツは新型EV『GLC with EQテクノロジー』の英国での販売を開始しました。ベストセラー車であるGLCのフル電動版で、新しいデザイン言語と800Vアーキテクチャーを採用しています。

EQC後継 グレードは全5種類

メルセデス・ベンツの新型EV『GLC with EQテクノロジー』の受注が英国で開始された。英国価格は6万350ポンド(約1200万円)からと、内燃機関モデルより約10%高い設定だ。

最初に導入されたのは四輪駆動の『GLC 400 4マティック』という仕様だ。ツインモーターから最高出力489psを発生し、0-100km/h加速タイムは4.3秒。94kWhバッテリーにより653kmの航続距離(WLTPサイクル)を実現し、最大330kWの急速充電に対応する。

メルセデス・ベンツGLC with EQテクノロジー
メルセデス・ベンツGLC with EQテクノロジー    メルセデス・ベンツ

グレードは、『スポーツ』、『AMGライン』、『AMGライン・プレミアム』、『AMGライン・プレミアム・プラス』、そして最上級の『プレミア・エディション』の5種類の展開となる。プレミア・エディションの価格は7万3350ポンド(約1490万円)だ。

メルセデス・ベンツは出力別に5種類のパワートレインをラインナップする予定で、最も効率の良い仕様は航続距離700kmを実現する。

ロングホイールベース化で車内を広く

新型GLC with EQテクノロジーは、メルセデス・ベンツのCEOであるオラ・ケレニウス氏が「当社史上最大の製品攻勢」と呼ぶ戦略の先駆けとなる。

実質的にEQCの後継車であり、EQCが独自の名称とデザインを採用していたのに対し、新型では既存の内燃機関モデルとそれらを共通化する。ただし、プラットフォームはそれぞれ異なるものを採用する。

メルセデス・ベンツGLC with EQテクノロジー
メルセデス・ベンツGLC with EQテクノロジー    メルセデス・ベンツ

GLCはメルセデス・ベンツのベストセラー車であり、ケレニウス氏が「最重要」と位置付けるプレミアムSUVセグメントに属する。

GLC with EQテクノロジーは新開発のMB.EAプラットフォームを採用している。中型~大型車向けに開発されたもので、急速充電を可能にする800Vアーキテクチャーを備えている。

車載システム『MB.OS』も最新バージョンを搭載する。

完全新設計のモデルだが、既存のGLCに近いデザインに仕上げたとケレニウス氏は説明する。「これが次世代の内燃機関GLCだと言われても、『そうだ、GLCらしい見た目だから当然の進化だ』と思うでしょう」

フロントはEV専用に開発した『アイコニックグリル』が特徴で、従来のモデルより大型で直立したデザインとなっている。

GLC with EQテクノロジーの全長は内燃機関版GLCとほぼ同等だが、ホイールベースは2972mmと80mm延長。現行のEQCと比べても約100mm長い。

ケレニウス氏はホイールベース延長の理由について、「車内空間を拡大できるため」と述べている。

内燃機関版GLCと比較すると、前後席のレッグルームとヘッドルームが広くなっている。さらに、570Lのトランクと128Lの大容量フロントトランクも備えている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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