ランチア037が現代に復活 4気筒ハイブリッド&四輪駆動で600馬力 価格は約1億円か

公開 : 2025.08.13 18:45

イタリアのキメラ・アウトモビリ社の最新モデル『エボ38』が登場。1980年代のラリーカーに着想を得て、レトロ調のデザインに高出力のマイルドハイブリッドシステムと4WDシステムを採用しています。

ターボ+スーパーチャージャーにトルセンLSD

イタリアのモータースポーツ企業であるキメラ・アウトモビリは、新型『エボ38(Evo38)』の量産バージョンを公開した。600psもの出力を誇るマイルドハイブリッド・システムと、四輪駆動システムを搭載している。

かつてWRCで大活躍したランチア037が1992年以降も開発が続けられていたらどうなっていたか、という「if」のストーリーを形にしたものだ。前身である2021公開のエボ37から大幅に進化している。

キメラ・エボ38
キメラ・エボ38    キメラ

エボ37との最大の違いは、後輪駆動から四輪駆動への変更だ。トルセンLSDを採用し、車内のコントローラーで前後のトルク配分を調整することができる。滑りやすい路面や高負荷時でもトラクションを向上させることができるが、必要に応じて全パワーを後輪に伝達することも可能だ。

ミドシップに搭載されたターボ&スーパーチャージャー付き2.2L 4気筒エンジンとフロントアクスルを結ぶドライブシャフトは、コックピットの中央を貫通し、可視化するためにガラスで覆われている。

48Vマイルドハイブリッド化とバルブ付きエグゾーストシステムの採用により、最高出力は600psに達する。バルブを開くと、ターボチャージャーが車体後部から赤く光って見える、とキメラ社は述べている。

トランスミッションは6速マニュアルで、露出したアルミ製のリンケージを備えている。

シャシーも全面的に見直され、プッシュロッド式サスペンションと、ターボチャージャーのクーラーが組み込まれたストラットタワーブレースが採用されている。車両重量は約1100kg。

エボ38の価格は未確定だが、50万ポンド(約1億円)前後になると予想されている。キメラ社によると、生産予定の38台のうち「ほぼすべて」がすでに予約済みだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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