【乗り味はクラシカル】三菱トライトンで往復900km!知っておきたい気になる点とそれを吹き飛ばす魅力

公開 : 2025.09.20 11:05

三菱のピックアップトラック、『トライトン』。日本ではレジャービークルとしてほとんどが舗装路での走行になると思われます。そこで内田俊一が往復900kmほどの旅に連れ出してみました。気になる点とその魅力を語ります。

ほとんどが舗装路での走行

三菱のピックアップトラック、『トライトン』。日本ではレジャービークルとしてほとんどが舗装路での走行になるだろう。そこで往復900kmほどの旅に連れ出してみた。

三菱トライトンは、新開発のラダーフレームを採用。従来型から断面積を65%増やし、曲げ剛性60%、ねじり剛性40%の強化を実現した一方、ハイテン鋼の採用比率を大幅に増やすことで、重量増を最小限に抑えた。

三菱のピックアップトラック、『トライトン』で往復900kmほどの旅へ!
三菱のピックアップトラック、『トライトン』で往復900kmほどの旅へ!    内田千鶴子

これにより走行性能や乗り心地向上に大きく寄与すると同時に、積載時の耐久性、衝突時のエネルギー分散性も向上するなど堅牢性も高めたという。

新開発となる2.4リッターの4N16型クリーンディーゼルエンジンは、新型ターボチャージャーと新燃焼システムを採用し、最高出力204ps/3500rpm 、最大トルク470Nm/1500-2750rpmを発生。そこにスポーツモード付き6速オートマチックトランスミッションを組み合せた。

同時に新開発のサスペンションにより乗り心地を向上させ、『スーパーセレクト4WD-II』と電子制御のアクティブヨーコントロールによる高い走行性能を実現。また新たにレーダークルーズコントロールシステム(ACC)をはじめとする最新の安全装備や、コネクティッド技術を用いたエマージェンシーサービスなどを投入している。

ひと昔前のクルマのように

キャビンによっこらしょとよじ登り、ブレーキを踏み込みスタートストップボタンを押してエンジンを始動させると、ひと昔前のクルマのように、ブルんと身震いをして4N16エンジンは回転を始めた。

しっかりとした作りのシフトレバーをDに入れ、ダイヤル式のスーパーセレクト4WD-IIは2Hを選択。今となっては珍しい手引き式のハンドブレーキを解除すれば、スタート準備は万全だ。そこからゆっくりとアクセルを踏み込むと、全長5360mmの巨体が少しのっそりと動き始めた。

新開発となる2.4リッターの4N16型クリーンディーゼルエンジンを搭載。
新開発となる2.4リッターの4N16型クリーンディーゼルエンジンを搭載。    内田俊一

最初の狭い交差点でブレーキペダルを踏み込むと、予想外の踏力の軽さに驚く。コントロールは容易で素直だが、もう少し重い方が悪路などでのセンシティブな操作時などではコントロールしやすいだろう。

少しスローなステアリングをぐるぐる回しながら大通りに出てアクセルペダルを踏み込むと、想像通りディーゼルらしいうなりをあげながら力強く加速体制に入った。

6速ATはアップダウンとも変速感は伴うものの、大きなショックは感じさせずスムーズだ。街中の流れに乗って走らせていると大体2000rpm強でシフトアップ。そうすると3から4へのシフトアップは街中でよく使う50km/h強になってしまい、3速2000rpmくらいでシフトアップせず引っ張ってしまうので、若干煩わしく感じる。せっかくのディーゼルなのだから、もう少し低速トルクを使って早めにシフトアップさせてもいいと思う。

もうひとつ気になったのがアイドリングストップ機能。停止からの再始動は2回ほどクランキングが必要で、再スタートに少々時間がかかってしまう。街中で不便に感じる場面があった。

また、左斜め後方の視界は決していいとはいえない。特に後席のヘッドレストとGSRに装着されるベッドライナーが妨げとなっているのだ。ちなみにドアミラーがピラーマウントのため、右斜め前方にも死角が発生しているのも気になった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    内田千鶴子

    Chizuko Uchida

    イタリアとクルマが大好きで、1968年式のFiat 850 spider Serie2を20年以上所有。本国のクラブツーリングにも何度か参加している。イタリア旅行時は、レンタカーを借りて一人で走り回る。たまたま夫が自動車ジャーナリストだったことをきっかけに取材を手伝うことになり、写真を撮ったり、運転をしたりすることになった。地図は常にノースアップで読み、長距離試乗の時はナビを設定していても、ナビシートで常に自分で地図を見ていないと落ち着かない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事