続・ニュールンベルク・トイフェアで配布される特別なミニカーたち【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第11回】

公開 : 2025.09.24 17:05

スパークが用意したのはクルマではなく

この他にも、レジン製1/43モデルを核に、有名、無名を問わずモータースポーツの歴史を彩ってきた古今東西のコンペティションマシンを展開する『スパーク』や、鉄道模型スケールの1/87で市販車を中心に膨大なラインナップを展開する『ヘルパ』などもニュールンベルク・トイフェア出展記念限定ミニカーを用意しています。

ちなみに、2012年のショーでスパークが用意したトイフェア出展記念限定ミニカーは、もはやクルマではなくパワーボートレースを戦う『船』。ミニカー(船ですが……)の後部に搭載されたエンジンは今は無き北米の船外機メーカー、エヴィンルード製の2ストロークV8(!)ということだそうで。

2012年にスパークが用意したパワーボートレースを戦う船のミニカー。
2012年にスパークが用意したパワーボートレースを戦う船のミニカー。    長尾循

このことだけでも、同社のジャンルを問わないモータースポーツ偏愛ぶりのほどがわかるというものです。また、鉄道模型ファンにとってもお馴染みのヘルパのトイフェア出展記念限定ミニカーは、ニュールンベルク・トイフェアのアイコンである赤い木馬にちなんで、赤いボディに白い木馬をあしらったグラフィックという、控えめなセンスが素敵です。

ドイツを代表する老舗玩具ブランド

一方、『シュコー』と言えば、100年以上の歴史を誇るドイツを代表する老舗玩具ブランドです。その長い歴史の中で経営母体は幾度も変わりましたが、ブランド自体は今なお健在。

そのラインナップの中で『ピッコロ』と呼ばれる全長4センチほどの素朴な作りのミニカーシリーズがあるのですが、そのピッコロのトイフェア仕様というものもあります。また、同じくドイツのブランドで素朴な作風で1/87スケールのミニカーを作っていた『ブブ(Bubmobile)』もトイフェア仕様のミニカーを作っていました。

100年以上の歴史を誇るドイツを代表する老舗玩具ブランド、『シュコー』。
100年以上の歴史を誇るドイツを代表する老舗玩具ブランド、『シュコー』。    長尾循

これらに関しては、作られた台数が1000〜1500台と他のトイフェア出展記念限定ミニカーに比べ圧倒的に多く、ショーの後に限定モデルとして一般販売されていたのかもしれません。というわけで、2回に分けてお送りしたニュールンベルク・トイフェア出展記念限定ミニカーの話題でした。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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