待ち望まれた「新提案」に? トヨタ・アイゴX ハイブリッド(2) 軽く短く運転楽しい

公開 : 2025.10.09 19:10

ヤリスと同じ1.5Lハイブリッドを得た日本非売のアイゴX 内装は1クラス上 高身長でも快適な前席 72psから115psへ向上 現実的に30.4km/Lの高燃費 うれしい新提案に? UK編集部が試乗

出力72psから115psへ向上 増した余裕

待望のハイブリッドを得た、トヨタ・アイゴX。単に燃費が向上しただけではない。1.0L 3気筒から1.5L 3気筒エンジンになったことで、最高出力は従来の72psから115psへ飛躍的に向上。最大トルクも、9.5kg-mから14.3kg-mへ太くなっている。

果たして、0-100km/h加速は14.9秒から9.2秒へ、5秒以上も縮めた。鋭い加速力を得たとまではいえないものの、高速道路の合流加速には明らかな余裕が生まれている。少しヤキモキするような鈍さとは、お別れしたといっていい。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

トランスミッションはe-CVTで、不自然にエンジン音が高まる場面はある。それでも、1.0Lエンジンの荒削りなノイズより、遥かに音質は良い。市街地を、従来以上に気持ち良く駆け回れる。同クラスのバッテリーEVの方が、より活発ではあるとしても。

軽く短く運転が楽しい 乗り心地も良好

パワーアップしたことで、もともと運動神経の良いシャシーとのバランスも良くなった。プラットフォームは、ヤリスと同じ高剛性なTNGA-Bを採用している。

ハイブリッド化で車重が増えたぶん、サスペンションもしっかり改良を受けている。小さなボディサイズだから、絶対的な動的能力が高いわけではないとしても、軽く短く、運転が楽しい。駐車だって簡単だ。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

18インチ・タイヤはグリップ力に優れ、よほど傷んだ路面を除いて、乗り心地もしなやか。落ち着きに優れるわけではないが、ひと回り大きいモデルへ迫る洗練度といえる。

ステアリングホイールの反応はダイレクトで、一貫性が高い。手のひらへの情報量は少なく、特に滑らかな印象ではないものの、扱いやすく信頼感を抱きやすい。

現実的に30.4km/Lの高燃費 GRスポーツも

今回のアップデートでアイゴXに追加されたのが、GRスポーツ仕様。専用ボディキットとサスペンションなどが与えられ、ステアリングにも改良を受ける。

GRヤリスのような、明確なスポーツ仕様ではない。それでも、乗り心地は若干向上していた印象。予算が許し、見た目がお好みなら、検討する価値はあるだろう。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

今回の試乗で得た燃費は、市街地から高速道路までの平均で30.4km/L。過ごしやすい気温で交通状況も円滑と、好条件だったとはいえ、驚くべき高効率といえる。

30L入りのガソリンタンクで、900kmほど走れる計算になり、ランニングコストはバッテリーEVに並ぶ。ただし、未発表ながら、英国価格は2万ポンド(約396万円)近くへ上昇する見こみではある。カタログ値のCO2排出量は、85g/kmだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

トヨタ・アイゴX ハイブリッドの前後関係

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