トヨタ・アイゴX ハイブリッド(1) 内装1クラス上 日本ウケしそう? 新ハード概説

公開 : 2025.10.09 19:05

ヤリスと同じ1.5Lハイブリッドを得た日本非売のアイゴX 内装は1クラス上 高身長でも快適な前席 72psから115psへ向上 現実的に30.4km/Lの高燃費 うれしい新提案に? UK編集部が試乗

ヤリスと同じ1.5Lハイブリッドを獲得

小さなトヨタ、アイゴXが新しくなった。見た目は、フロントまわりが僅かに変わった程度ではある。しかし中身は別物。従来のボディやインテリアを活かしつつ、技術的にはモデルチェンジしたと表現してもいい。

その事実が明瞭に示される数字が、30.4km/L。筆者が、気ままにドイツ・ベルリンの市街地や郊外のアウトバーンを流して得られた燃費だ。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

日本非売のアイゴXは、これまで非ハイブリッドの1.0L 3気筒エンジンを積んでいた。しかし、トヨタ・ヤリスと同じ1.5Lハイブリッドを獲得。まだ価格の下がりきらない、小さなバッテリーEVに代わる存在として、興味深い提案といえる。

2430mmのホイールベースを伸ばさず、231Lの荷室を削ることなく、ハイブリッドエンジンを押し込むため、技術者は2年近い歳月を費やしたという。その結果、スタイリングはほぼキャリーオーバーになったのだろう。

車重は1090kg サスペンションも更新

新しいアイゴXは、全長が3776mmで、全幅は1740mm。実際は、ひと回り大きいエンジンを前方へ載せるため、ボンネット部分が長くなり全長は76mm伸びている。

フロントマスクは、従来よりアグレッシブでロボット的な印象に。コントラストの強い、ツートーン塗装は変わらない。シナモンやマスタードなど、ボディカラーのネーミングが洒落ている。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

ハイブリッド化で車重は140kg増えているが、それでも1090kg。重心は40mm落とされた。本来エンジンルームにある冷却系統は、リアシート付近へ移動。12Vの補機バッテリーは、荷室の下にある。

サスペンションは、スプリングとダンパーを更新。ECUが一新され、回生ブレーキも獲得している。トランスミッションは、トヨタのハイブリッドだからe-CVTが組まれる。

内装は1クラス上 前席は高身長でも快適

インテリアは、先述の通りほぼ従来のまま。そもそも、先代から大幅に高級感が増しており、印象の悪いものではなかった。1クラス上の雰囲気すら漂うほど。

ダッシュボードの造形は凝っていて、硬いままのプラスティックの面積は広いものの、耐久性は高そう。ボディパネルが露出した部分は最小限に抑えられ、ベーシックなコンパクトカーとして納得できる仕上がりだと思う。

トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタ・アイゴX ハイブリッド(欧州仕様)

前席側は、身長の高い大人でも快適に座れ、よほど大きい体型でなければ肩がぶつかることもない。カップホルダーは2本ぶんあり、スマートフォンの無線充電パッドが備わる。ドア側のポケットも大きい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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