Aクラス/1シリーズへ伍するフランスの雄 新型 DS No4 着実な進化 UK編集部の評価は?

公開 : 2025.11.12 18:05

乗り心地が強み 回頭性は意外に鋭い

乗り心地は、No4の強み。細かな揺れは伝わるものの、市街地でも高速道路でも、しっとり穏やかに移動できる。風切り音が耳元で聞こえるとはいえ、転がり音も静かだ。

ステアリングの感触は薄めでも、反応は自然で、フロントが重く回頭性は意外に鋭い。ただし、スポーツ・モードにしても、目立って印象が引き締まるわけではない。グリップ力が高く、ロールも抑えられているが、攻め込むと限界は高くないことがわかる。

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)
DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)

今回の燃費は、ポルトガルの市街地を含むルートの平均で19.4km/L。駆動用バッテリーの充電量が95%の状態で、メーターには電気だけで67km走れると表示されていた。

着実な進化 競争は今後も楽ではない?

先代の4から、着実な進化を果たしたNo4。伸延した電気だけで走れる距離や、クルーザーのように高級なインテリアなどは、明らかな強みだろう。周囲とは異なる、存在感あるスタイリングへ魅力を感じる人もいらっしゃるはず。

反面、狭めの車内空間や、もう少し磨けそうな運転体験、お高めの価格などが訴求力の足を引っ張っている。ライバルブランドの総合力を踏まえると、DSの競争は今後も楽ではないかもしれない。

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)
DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)

◯:目を引くスタイリング 電気だけで80km近く走れる
△:個性の薄い運転体験 パワートレインの洗練度は高められる

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万4200ポンド(約902万円)
全長:4400mm
全幅:1830mm
全高:1490mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:34.3km/L
CO2排出量:59g/km
車両重量:1693kg
パワートレイン:直列4気筒1598cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:14.6kWh
最高出力:225ps(システム総合)
最大トルク:36.5kg-m(システム総合)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック/前輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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