Aクラス/1シリーズへ伍するフランスの雄 新型 DS No4 着実な進化 UK編集部の評価は?

公開 : 2025.11.12 18:05

特徴的なフォルムのNo4 1.6LプラグインHVは電気だけで80km BMWへ劣らない車内の高級感 後席は狭め 市街地を静かにこなせる 穏やかな乗り心地が強み UK編集部が試乗

特徴的なスタイリング クロスオーバーに近い

DSが新しい名前を与え発売したのが、ハッチバックのNo4。メルセデス・ベンツAクラスBMW 1シリーズといった競合へ伍する、フランスの雄といえる。先代のDS 4は、同ブランドで最も売れていたが、期待には大きく届いていなかった。

支持率の拡大を目指すNo4の強みとなるのが、特徴的なスタイリング。最新の大型クロスオーバー、No8と歩調を合わせたLEDデイライトが、スリムなヘッドライトの両端で縦に伸びる。フロントグリルはワイドで、FFだがボンネットは僅かに伸ばされた。

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)
DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)

サイズは全長4400mm、全幅1830mm、全高1490mmで、長さの割に背が高め。シルエットはクロスオーバーに近く、特有の存在感を放つ。

プラットフォームは、プジョー308などと同じステランティス・グループのEMP2を採用。パワートレインは、今回試乗したプラグイン・ハイブリッドの他、通常のハイブリッドとディーゼルも選択できる。バッテリーEV版の、No4 E-テンスも用意される。

電気で80km走れるHV BMWへ劣らない高級感

インテリアは、柔らかい肌触りのレザーと、上質なウッドトリムが目を引き、製造品質も高い。試乗車はトップグレードのエトワール・ナッパレザーで、BMWなどに劣らない高級感を得ていた。目線より下の部分的なプラスティックが、少し雰囲気を濁すが。

メーター用モニターは10.25インチで、中央のタッチモニターは10.0インチ。表示は鮮明で、システムの操作性も良い。タッチモニター下部に並ぶハードスイッチも、使いやすさへ貢献している。エアコンの温度調整などは、タッチモニターになるけれど。

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)
DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)

前席側の空間にはゆとりがある一方、後席側は膝前も頭上もやや狭め。傾斜したルーフラインが影響し、身長の高い大人はリラックスしにくいかもしれない。荷室容量は390Lあり、AクラスのプラグインHVより広い。

市街地を静かにこなせる システム総合225ps

プラグイン・ハイブリッドの構成は、178psの1.6L 4気筒ガソリンターボに駆動用モーターを組み合わせたもの。ATは7速デュアルクラッチで、駆動用バッテリーは14.6kWhへ増量。電気だけで走れる距離は、先代の51kmから80kmへ伸びている。

発進時のデフォルトは、EVモード。駆動用モーターは110psあるため、静かに市街地をこなせる。車重は1693kgあり、軽快な感じまではないとしても。

DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)
DS No4 プラグイン・ハイブリッド・エトワール・ナッパレザー(欧州仕様)

ハイブリッド・モードを選ぶと、若干の振動をペダルへ伝えつつエンジンが始動。右足を傾けると、ノイズがボリュームアップする反面、速度上昇とは少し一致しない。システム総合で225psを誇り、0-100km/h加速は7.4秒でこなせるそうだ。

スポーツ・モードも備わるが、走りの印象の変化は限定的。快適性重視のDSというブランドにも、あまり似合わないような気がした。7速ATの変速は滑らか。反応は素早くないが、シフトパドルで変速もできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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