まさかの「岩彫り」 メルセデス・ベンツの新型商用車『スプリンター』デザイン公開
公開 : 2025.10.31 07:05
メルセデス・ベンツは、商用車『スプリンター』の次世代モデルのデザインを予告するユニークな岩彫りの彫刻を披露しました。空力を重視したボディ形状で、EVと内燃機関の両方がラインナップされる予定です。
EVと内燃機関モデルを販売へ
メルセデス・ベンツは、『ザ・ボルダー(The Boulder)』と名付けたデザインスタディを公開した。商用車『スプリンター』の次世代モデルの姿を予告するものだ。
この岩彫りの彫刻では、新しいフロントグリルと角張ったリアデザインなど、新型スプリンターの特徴的な要素が示されている。

新型スプリンターは当初、新開発の商用EV向けプラットフォーム『VAN.EA』をベースに全車電動化される予定だったが、業界全体のEV普及が予想を下回っているため、方針を転換。今年2月にVAN.EAに加え、内燃機関向けの『VAN.CA』プラットフォームを導入すると発表された。
商用EV向けのプラットフォームが内燃機関用に再設計されるのはこれが初めて。メルセデス・ベンツは乗用車向けのMMAプラットフォームで同様の措置を取っている。
メルセデス・ベンツのスマートデザイン責任者カイ・ジーバー氏は、「論理的には新型CLAと同様です。内燃機関とEVの両方に対応したプラットフォームを使用するのです」と述べた。
VAN.EAとVAN.CAでは70%の部品を共通化し、生産ラインも共有する。
新型スプリンターのEVモデルと内燃機関モデルはデザインも共通化することになるが、商用車仕様と乗用車仕様では差別化が図られる。ジーバー氏はこれを「ボディ・イン・ホワイトに商用車の帽子をかぶせる」と表現している。
メルセデス・ベンツの新しいバンシリーズは、現行と同様の構成となる見込みだ。つまり、中型のヴィトー(Vito)の後継車と、大型のスプリンター(Sprinter)の後継車が登場することになる。
モデル名は未確定だが、ザ・ボルダーに『SPRINTER』と刻まれていることから現在のネーミングが引き継がれる可能性が高い。
ザ・ボルダーに見られるように、新型は空力重視のボディ形状を採用する。
「経験上、空力性能の80%は常にリアで発揮されます」とジーバー氏は述べた。「このエリアは、空力性能だけでなく荷室の実用性においても大きな影響を与えます」
新型スプリンターには、改良型のコネクティビティ機能と、車載システム『MB.OS』を中核とした新たなデジタルエコシステムが搭載される。これにより、無線によるソフトウェアアップデートや人工知能(AI)の統合が可能となる。
今回のザ・ボルダーの発表は、カール・ベンツ氏による動力付き配送バンの発明130周年を記念するイベントの一環として行われた。当時の車両は復元され、来年開催の記念行事において展示される予定だ。











