【三菱ふそう】環境技術と人材の両面から次世代商用モビリティの未来を描く!水素活用、新たな物流に整備士育成 #JMS2025

公開 : 2025.10.31 17:25

ジャパンモビリティショー2025で三菱ふそうは、水素を活用した大型トラック2台のコンセプトや新たな物流ソリューションを披露。次世代の整備士育成に向けた独自プログラムも紹介されました。黒木美珠がレポートします。

水素を燃やすか、電気に変えるか

ジャパンモビリティショー2025三菱ふそうブースでは、水素で駆動する大型トラック2台のコンセプトモデル『H2IC』、『H2FC』を世界初公開。電気小型トラック『eキャンター』をベースにした新たな物流ソリューションを披露した。

『H2IC』は、水素を燃焼させるエンジンで駆動する水素エンジン搭載大型トラック。既存のディーゼル技術や車体構造を流用することで、水素へのスムーズな移行を実現することを目指す。高出力を必要とする建設用車両や重量物輸送に適している。

三菱ふそうは2台のコンセプトモデル『H2IC』、『H2FC』を世界初公開。
三菱ふそうは2台のコンセプトモデル『H2IC』、『H2FC』を世界初公開。    黒木美珠

一方の『H2FC』は、水素を電力に変換しモーターを駆動させる燃料電池トラックで、燃料として圧縮水素ガスと比べてより密度が高い液体水素を採用。最大1200kmの航続距離と15分以内の充填時間を実現。リアボディもディーゼル車と同等のサイズを確保し、積載スペースを犠牲にしていない。

さらに、『H2FC』は国内初となるサブクール液体水素(sLH2)充填技術を採用。ダイムラートラックとリンデ・エンジニアリングが共同開発したこの技術は、蒸発した水素ガスを再液化することで排出を防ぎ、効率的な充填を可能にする。岩谷産業と共同で国内適用を進めており、将来的なインフラコストの削減にもつながる見込みだ。

物流課題に応える新ソリューションの形

次に注目したいのは、電気小型トラック『eキャンター』に搭載されたスマートボディコンセプト『コボディ(COBODI =Connected Load Body)』。AIとデジタルソリューションを組み合わせた次世代型物流プラットフォームを提案する。

会場では、第三世代『eキャンター』をベースに『COBODI』を搭載した特別仕様車を展示。荷下ろし作業を行うドライバーの動線を考慮したスマートな荷台設計と、AIを用いた配送計画システム『ワイズ・システムズ』との連携によって、配送効率と作業負担の軽減を両立している。

第三世代『eキャンター』をベースに『COBODI』を搭載した特別仕様車。
第三世代『eキャンター』をベースに『COBODI』を搭載した特別仕様車。    山田真人

自動車整備士養成プログラムで『働きながら学ぶ』

人材育成への取り組みも紹介されていた。三菱ふそうが実施する自動車整備士養成プログラムは、ドイツの職業訓練制度『デュアルシステム』をベースにした新しい整備士教育モデル。

訓練期間は3年間で、約7割が実務研修(OJT)、残り3割が提携教育機関での理論授業。訓練生は企業と雇用契約を結び、給与を得ながら学費の負担なく学べる仕組みだ。

ドイツの職業訓練制度をベースにした新しい整備士教育モデル。
ドイツの職業訓練制度をベースにした新しい整備士教育モデル。    黒木美珠

このプログラムは、ドイツ連邦経済・エネルギー省、在日ドイツ商工会議所、三菱ふそうトラック・バス、教育機関などが連携して運営しており、次世代モビリティ社会を支える技術者の育成を目的としている。

マイスター制度の精神を引き継ぎながら、理論と実務を両立させた日本発の新たな整備士育成モデルといえよう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    黒木美珠

    Miju Kuroki

    1996年生まれ、静岡県出身。自動車系YouTuberとしての活動を経て、自動車ジャーナリスト(の卵)へと転身。自身の車中泊による日本一周の経験をきっかけに、クルマを通じたライフスタイルの可能性に魅了されるようになる。現在は、輸入車デビューを目指す連載をはじめ、車中泊視点での車両レビューや、YouTubeチャンネル『AUTO SOUL JAPAN』の運営など、多角的に活動中。クルマを単なる移動手段や機械としてではなく、その背景にある開発者の想いや、クルマを取り巻く文化、そして『移動すること』そのものの価値を伝えることをモットーとしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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