より直感的で滑らかに アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグインHV(2) ブランドへの期待値は高い

公開 : 2025.11.14 18:10

評価できる仕上がり 更なる特徴や洗練性が欲しい

より凛々しい見た目と、魅力的な内装を得たトナーレ。プラグイン・ハイブリッドは、バッテリーの充電量が充分ならアルファ・ロメオらしく活発で、操縦性も好ましい。だが、運転体験には更なる特徴や洗練性が欲しいところ。価格も、お高めといえる。

ジュリアやステルヴィオより、売れ筋のカテゴリーであることは間違いない。そのぶん、競争は激しい。ステランティス・グループという規模を活かしつつ、もっとアルファ・ロメオらしい仕上がりを目指すこともできたように思う。

アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4スポーツ・スペチアーレ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4スポーツ・スペチアーレ(欧州仕様)

ゼロスタートという開発経緯を振り返れば、評価できる仕上がりといえる。だが、似た条件で生まれたジュリアやステルヴィオが、一層の魅力を宿すことも無視はできない。

◯:洗練され魅力ある容姿 悪くない動力性能 電気だけで充分な距離を走れる プレミアム・ブランドとして競争力のある価格
△:ブランドへの期待値へあと1歩の動的能力 駆動用バッテリーの充電量で変わる運転体験 狭めの車内空間

アルファ・ロメオ・トナーレ・プラグイン・ハイブリッド Q4スポーツ・スペチアーレ(欧州仕様)のスペック

英国価格:約5万4000(約1102万円/試乗車/予想)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:6.6秒
燃費:91.0km/L
CO2排出量:26g/km
車両重量:1835kg
パワートレイン:直列4気筒1332cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:15.5kWh
最高出力:269ps/5750rpm(システム総合)
最大トルク:39.3kg-m(システム総合/予想)
ギアボックス:6速オートマティック(前)+ダイレクトドライブ(後)/四輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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