50年間に多様な広がり BMW 3シリーズ E21型とG20型(1) 02シリーズから熟成の進化
公開 : 2025.12.05 17:45
現行と比べると二度見するほど小柄
今回のE21型320には、2.0L 4気筒のキャブレターエンジンが載る。人間工学は既に煮詰められており、ラインオフから半世紀が過ぎたと思えないほど走りは活発。当時は太すぎると指摘されたフロントピラーも、驚くほど細く前方視界が広い。
ダッシュボードに並ぶ、メーター類の配置は理想的。シートは細かなチェック柄で、クリーム色の天井が車内を明るくし、最近のBMWにはない雰囲気が車内を包む。センターコンソールが、しっかりドライバー側を向いている。

2ドアサルーンのボディは、現行のG20型と比べると、二度見するほど小柄。オリジナルの13インチ・スチールホイールが、良く似合う。
しなやかさの中にある操る面白さ
動力性能に驚きは薄い。最高出力は110ps/5800rpmで、車重は1036kgと、パワーウエイトレシオは悪くないが、ZF社製の3速ATが印象を鈍らせる。変速は滑らかだが、発進時が若干ぎこちない。積極的にシフトアップし、高いギアへ落ち着きたがる。
操縦性は目からウロコ。最初期の3シリーズだとしても、今へ続く特長が香る。サスペンションは明らかにソフトだが、旋回時のバランスはオーバーでもアンダーでもなく、ニュートラルで安定している。

カーブの途中でアクセルペダルの角度を変えると、ノーズの向きを調整できる。クラシカルなしなやかさの中に操る面白さがあり、運転しやすい。設計水準の高さを物語る。
この続きは、BMW 3シリーズ E21型とG20型(2)にて。




















































































































