電動時代のヴァリアント フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(1) フラッグシップ・ハードを概説

公開 : 2026.01.06 18:05

ツインモーターで340psを得たID.7 GTX 流れるようにスポーティなボディ 落ち着いた雰囲気で広々の車内 感心するほど熟成な走り 特性はGTワゴン 現実の航続は400km UK編集部が試乗

ツインモーターで340psのID.7 GTX

フォルクスワーゲンでは、トゥアレグ Rに次ぐプライスタグを下げた、ID.7 GTX。リフトバックサルーンとステーションワゴンという2種類のボディで、BMWやメルセデス・
ベンツといった銘柄へこだわらない、予算に余裕のある層を取り込むことになる。

同社が掲げるバッテリーEVのサブブランド、GTXのフラッグシップでもある。しっかりドライバーの気持ちを掴むことも、必要といえるだろう。

フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)

ID.7は英国では2024年から販売が始まっており、大きすぎない77kWhの駆動用バッテリーとシングルモーターを組むことで、低価格化を叶えていた。だがID.7 GTXでは86kWhへ増量され、前後1基づつのツインモーターで増強。340psを得ている。

フロントのモーターは108psの非同期ユニットで、必要時以外パワーを生み出さない。車重は、AUTOCARの計測で2353kgと、なかなかの重量級。航続距離はカタログ値で577kmがうたわれるが、BMW i5やアウディA6 e-トロンには届いていない。

流れるようにスポーティなスタイリング

スタイリングは、流れるようなウエストラインとルーフラインでスポーティ。シューティングブレークほど優雅ではないものの、ID.7のリフトバックサルーンよりカッコ良く感じる方も多いはず。EVにありがちな、腰高感も薄い。

通常のID.7と差別化するべく、前後のバンパーはGTX専用デザイン。デイライトとエアインテークで、表情が引き締められる。リフトバックサルーンの場合、リアバンパーにエアアウトレット風のグリルが付き、ディフューザーが備わる。

フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)

テールライトは、3Dエフェクトを得たLED。ドアをロックすると流れるように点灯し、VWのロゴもレッドに灯る。

ダイナミック・シャシー・コントロール(DSC)・サスペンションは、コイルスプリングとアンチロールバー、アダプティブダンパーがGTX専用チューニングになり、可変ステアリングが標準装備。アルミホイールは20インチの他、21インチも選べる。

落ち着いた雰囲気で広々の車内

インテリアは、フォルクスワーゲンの慣例通り、高性能モデルでも違いは控えめ。エルゴアクティブ・シートとダッシュボードへレッドの差し色が入り、GTXのロゴが要所に散りばめられる程度。それでも、落ち着いた雰囲気が好ましい。

タッチモニターやヘッドアップ・ディスプレイ、メーター用モニターのグラフィックも、通常のID.7と同じ。間接照明は標準ながら、もう少し特別感があっても良いだろう。

フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラー(英国仕様)

車内空間は広大で、後席は高身長の大人でもゆったり過ごせるはず。前後長は850mmあり、メルセデス・ベンツEQSより広いほど。試乗車には、電子的に透過性が変わるパノラミック・ガラスルーフが備わり、開放感を高めていた。

ベンチレーションとマッサージ機能が実装された、フロントシートの座り心地は抜群。コラムシフトを採用したことで、センターコンソールの収納は大きい。スマートフォンの充電パッドやカップホルダーなども備え、長距離をストレスなく移動できそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フォルクスワーゲンID.7 GTX ツアラーの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事