【GR GT&レクサスLFAコンセプト誕生前夜】トヨタから新たにスーパースポーツが生まれた背景とは?『悔しさ』から生まれたカウンターストーリー!
公開 : 2025.12.06 07:05
プラットフォームはその全てが新開発
今回の3台はプラットフォームを共有するわけだが、アルミスペースフレーム(!)のシャシー、4LのV8ツインターボエンジン、トランスアクスルのパワートレインなど、その全てが新開発された。
企画がスタートしたのは2020年8月にGRヤリスがデビューした直後で、エンジニアだけでなく、開発を担当する現役レーシングドライバーなどチーム全体で、どんなクルマにしたいか議論を重ねたという。当初はFRかどうかすら決まっていなかったそうだ。コロナ禍のため、オンラインも駆使しての議論だった。

そこでたどり着いたのが今回の形で、低重心化=ドライサンプ/フロントミッドシップ/トルコンレスのトランスミッションなど、強靭な骨格=トヨタ初のオールアルミスペースフレーム、空力の追求=機能優先でのデザイン、ドライバーファースト=開発初期からドライバーに入ってもらいポジションを追求(左足ブレーキ、カウンターステアなども考慮)、といったあたりがキーワードとなる。
ここでポイントは、GR GTが4LのV8ツインターボ+モーターのハイブリッドモデルなのに対し、レクサスLFAコンセプトがBEVモデルであることだ。
サステナブルという視点では説得力に欠ける
電動化が進む昨今とは逆行するように、スーパースポーツカーのニーズは非電動化モデルのほうが高まっている印象だ。しかしトヨタという大会社がいくらハイブリッドとはいえ、GR GTだけ出すのはサステナブルという視点では説得力に欠ける。だからこそのBEV版LFAだ。
さらに書けば、ハイブリッドとしたのは環境性能ではなく、パフォーマンスを追求した結果と、プロジェクトジェネラルマネージャーの土井崇司氏は明言している。

今回飾られたモデルはペブルビーチやジャパンモビリティショーに登場したレクサス・スポーツコンセプト同じモデルで、LFAの車名が与えられ、BEVであることが判明したのが違いとなる。ちなみに豊田氏からは、『電動スポーツカーの音を再定義する』ことが宿題として与えられたそうだ。
既にレクサスはハイブランドとして確立しているが、GRはこれまでスープラが最上級車種であったから、GTを発売することは大きなチャレンジであり、作り上げることはもちろん、発売した後も課題は多いだろう。
当然それも理解したうえでワールドプレミアを果たしたトヨタの新型スポーツカーだが、ここまで全てが新開発であることに驚き、しかもこんな悔しさから生まれたカウンターストーリーがあったとは1ミリも想像していなかった。
GR GTはLFAのような限定ではなく、量産モデルになるという。発売は2027年とされ、まだ明らかになっていない部分も多い。しかしまさにトヨタの威信をかけて作った渾身のスーパースポーツカー誕生に、ひとりのクルマ好きとしてまずは拍手を送りたい。


































































































































































































