EV市場変化 欧州「軽自動車」規格 カーライフを変えたステーションワゴン【翻訳担当が振り返る2025年】

公開 : 2025.12.30 12:05

コンパクトカーに明るい兆し 欧州で新たな潮流

【欧州に「軽自動車」規格導入? 小型・安価な『Eカー』カテゴリー開発へ EU】
掲載日:2025年9月13日

日本の軽自動車のような規格が、欧州にも導入されるかもしれない。このような話題は1~2年ほど前から目にしていたが、ようやく実現に近づきつつある。

欧州で導入検討中の『Eカー』カテゴリーは、日本の軽自動車規格と比較されることが多い。
欧州で導入検討中の『Eカー』カテゴリーは、日本の軽自動車規格と比較されることが多い。

クルマに対する安全規制や環境規制は年々厳しくなり、それに合わせて車両価格もどんどん上昇している。このままでは新車を買えない人が増えてしまうから、もっと安いカテゴリーを作ろう―――それが、この『Eカー』と呼ばれる欧州の新規格だ。

詳しい内容は未定だが、小型車への規制を緩和することで低価格化と排出ガス削減を目指すようだ。日本の軽自動車を大々的に売り込めるようになる、という期待感もあるが、それは少し難しいかもしれない。

というのも、この規格を構想している欧州委員会(EUの内閣に相当)は「欧州で生産すること」を重視しているようなのだ。そもそもこの構想の背景には、大量に入ってくる安価な中国車への危機感もある。欧州メーカーの売上と雇用を守るという側面が強いため、欧州以外からの輸入車は蚊帳の外かもしれない。今後の動向には注視したい。

欧州では、消費者もメーカーも苦い思いをしているはずだ。さまざまな事情や思惑があるにしても、お手頃なコンパクトカーが増えるのは良いことだと思う。

感化されて買っちゃいました、ステーションワゴン

【2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高のステーションワゴン 10選 必要なものをすべて揃えたクルマ】
掲載日:2025年4月26日

この記事は筆者のカーライフに影響を与えた。欧州で販売されている優れたステーションワゴンのトップ10を紹介するという、AUTOCARお得意のランキング形式の特集だ。日本で正規販売されていないモデルも含まれるのだが、この記事の翻訳作業を進めているうちに、どんどんステーションワゴンが好きになっていった。

筆者は今年、初代ボルボ『V60』の中古車を購入しました。(画像はイメージ)
筆者は今年、初代ボルボV60』の中古車を購入しました。(画像はイメージ)    ボルボ

結果的に、筆者は2025年の夏、中古のボルボV60を購入してしまった。8年落ちで走行距離は9万km近く、小傷もいくつかある。しかし、2.0Lのディーゼルエンジンは元気がよく、少々うるさいもののトルクフルで燃費も良い。納車後しばらくしてからサンルーフの雨漏りが発覚したのだが、ディーラーの保証で直していただき、本稿執筆時点では特にトラブルもなく快調だ。

筆者はハッチバックやクーペ、セダンといった類のクルマが好きなのだが、ステーションワゴンに対してはちょっと地味なイメージを抱いていた。「成熟した大人が乗るクルマ」のように捉えており、自分にはまだ早すぎると考えていた。

しかし、この特集記事に出会い、「ステーションワゴンが欲しい!」と強く願うようになった。見事に感化されてしまったわけだ。

控えめで、車内の広いステーションワゴンは、どんなシチュエーションでも使いやすい。今人気のSUVもいいけれど、あえて主流から外れたいという天邪鬼な気持ちもある。

告白すると、「ステーションワゴンに乗っていれば、自分ももっと大人になれるのではないか」という淡い期待を抱いている。かつて、格好良くなりたくてマツダRX-8を買い、おしゃれになりたくてシトロエンC4を買った自分は、今度は大人になりたくてボルボV60を買った。

どうやら筆者にとって、クルマは自分の憧れを反映するものらしい。そして、そのような憧れを喚起し、それに対する「アンサー」を示してくれたAUTOCARの記事は、自動車専門メディアが果たすべき役割の1つをしっかりと果たしているように思える。

ちなみに、この【最高のステーションワゴン 10選】の記事ではボルボV60の記載はない。記事の中では、上級モデルのV90か、日本国内では手に入れるのが難しいスコダ・スパーブに心を惹かれたのだが、お財布と相談しながら中古のV60を選んだ。長く大切に乗り続けたい。

最後にひとこと

自動車メディアで仕事を続け、また新たな愛車を迎えることができたのも、ひとえに読者の皆様(そしてAUTOCAR JAPAN編集部)のおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。いつも本当にありがとうございます。引き続き、2026年も何卒よろしくお願い申し上げます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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