【第15回】サイトウサトシのタイヤノハナシ~タイヤ製造方法の進化と製造国~

公開 : 2025.12.17 12:05

どこの国で作っても同じタイヤになる?

ただ、純正(OE)タイヤに関していうと、仕向け地によってタイヤの特性を変えることはあるようです。

以前タイでマツダの工場見学をさせてもらった際、マツダ2に試乗させてもらったのですが、この時ダンパーとタイヤは仕様変更をしているという説明を受けたことがあります。

生産国の気候がタイヤに与える影響は(写真はイメージです)?
生産国の気候がタイヤに与える影響は(写真はイメージです)?    斎藤聡

タイや、その周辺の東南アジア諸国では、道が悪いので乗り後心地を重視する傾向にあります。ダンパーやタイヤを乗り心地の良くなる方向に仕様変更しているということでした。

実際、試乗した印象もダンパーはより柔らかな動きを見せ、ゴツゴツした硬さを巧く抑え込んでいましたし、タイヤもゴムの硬度を柔らかくして、ノイズの低減やショックの角を取るようなチューニングが施されていました。

これは自動車メーカーからのオーダーとして知った話ですが、装着しているタイヤにこれほど手間がかかっているとは思ってもみませんでした。

考えてみれば当然で、灼熱の地域と極寒の地では装着するタイヤが違って当然です。

また、平均速度が比較的遅いアジア・東南アジア地域では、低中速域の乗り心地を重視したセッティングになっており、タイヤもそれに対応したものが装着されているというわけです。

同一タイヤメーカーの生産国別乗り比べなんてできないものでしょうか。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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