米国を代表する名車 フォード・サンダーバードの栄光と衰退(前編) 誕生とサイズアップ

公開 : 2025.12.20 11:25

より大きく、より豪華に

1964年、フォードは初代マスタングを発売する。こちらも2ドアの4人乗りだが、サンダーバードよりはるかにスポーティで、異なるタイプの顧客層を狙っていた。しかし、フォードのラインナップ上では、両車のポジションが不自然なほど近かった。

この問題は1967年に5代目サンダーバードが登場すると緩和された。従来モデルより大型化し、これまで以上にラグジュアリー性を強調するようになった。コンバーチブル仕様は廃止されたが、初めて4ドアボディが採用された。

より大きく、より豪華に
より大きく、より豪華に

ボディー・オン・フレーム構造を採用

奇妙なことに、5代目サンダーバードは初代と同様、ボディとシャシーが別体のボディー・オン・フレーム構造を採用している。開発コスト削減のため、部品の一部は後発のリンカーン・コンチネンタルMk3にも流用された。Mk3はキャデラック・エルドラドの有力なライバルとなった。

リンカーンが巨大な460ci(7.5L)エンジンを搭載したのに対し、サンダーバードはやや控えめだった。当初は390ci(6.4L)と428ci(7.0L)のFEエンジンが採用されていたが、1968年に最高出力360psを発生する新型ビッグブロック385 V8の429ci(7.0L)版が登場した。

ボディー・オン・フレーム構造を採用
ボディー・オン・フレーム構造を採用

バードピークと呼ばれる形状

1967年から1969年までのサンダーバードは、ヘッドライトを隠した「フィッシュマウス(魚の口)」と呼ばれるフロントグリルを備えている。1970年モデルでは、それまで振るわなかった販売を伸ばそうと、このデザインは廃止され、「バードピーク(鳥のくちばし)」と呼ばれる形状に変わった。

しかし、人気向上にはまったく寄与しなかった。最後の2年間で売上はさらに落ち込み、今もクラシックカーの中でも特に残念なモデルの1つとされている。

スタイリング変更
スタイリング変更

全世代を通して最大のサイズに

1972年から1976年にかけて販売された6代目サンダーバードは、全世代を通して最大のサイズを誇る。従来通りリンカーン・コンチネンタル(このときはMk4)との共通化が図られ、フロントエンドの「バードピーク」デザインも踏襲された。その形状は以前ほど目立たないものの、現代の基準で見ればかなり特異なものである。

ラインナップはスリム化された。ボディスタイルは2ドア・クーペのみであり、全車に385 V8エンジンが搭載された。ただし、排気量は429ci(7.0L)または460ci(7.5L)の2種類が用意され、後者はサンダーバード史上最大であった。

全世代を通して最大のサイズに
全世代を通して最大のサイズに

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

フォード・サンダーバードの栄光と衰退の前後関係

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