史上最も希少な量産モデル 21選(前編) アルファ・ロメオからハマーまでメーカー別 二桁生産ランボルギーニも
公開 : 2025.12.27 11:25
フィアット:8V(生産台数114台、1952-1954年)
この曲線美あふれるグランドツアラーが、フィアット600と同じ屋根の下(そして同じ人物、ダンテ・ジアコーサの手によって)生まれたとは到底思えない。しかし、1952年から1954年にかけて、8Vはフィアットのラインナップの最上位に位置づけられていた。第二次大戦後のイメージ再構築を目指し、モータースポーツの伝統を継承する象徴モデルとして開発された。2.0L V8エンジンは、大排気量車に対するイタリアの課税を巧みに回避しつつ、基本仕様で104psを発生した。
1950年代初頭、8Vのターゲットとなる顧客層はフィアットよりも上級のブランドへ流れてしまい、生産は114台で終了した。多くの車両がピニンファリーナなどのコーチビルダーに渡ったため、ワンオフや少量生産のバリエーションがいくつも存在する。

フォード:デュランゴ(生産台数約212台、1979-1982年)
『デュランゴ』といえばダッジのSUVを思い浮かべるかもしれないが、それに先行してフォードがこの名を使っていた。この小型トラックは、フェアモント・フューチュラというモデルをベースにしている。フェアモント・フューチュラは、3代目マスタングとフォックス・プラットフォームを共有する目立たないクーペだ。ロサンゼルスのナショナル・コーチ・ワークス社がその後部を切り落とし、テールゲートを追加してピックアップに改造。フォードはこれを自社で売ることにした。米国ではフォード販売店を通じて販売され、フェアモントと同等の保証が適用された。
フォードは、ランチェロの後継としてヒットを期待したものの、それは実現しなかった。デュランゴの正確な生産台数は不明だが、大半の資料では212台とされている。

ホンダ:P800(生産台数1079台、1966-1967年)
ホンダは1966年、都市向けピックアップトラックのP800を発表した。L700の後継車であるL800の進化形であり、主に日本市場の商用車ユーザーをターゲットとしていた。しかし、生産期間は1年強に過ぎない。
バンタイプのL800は7275台生産されたが、P800はわずか1079台。この数字は、S500(1363台)やバモス(2500台)よりも少ない。現在、何台のP800が残っているかは不明だが、間違いなくごく少数だ。

ハマー:H3T(生産台数2738台、2008-2010年)
ゼネラルモーターズ(GM)傘下のハマーは2008年、最小モデルとなるH3を4ドア・ピックアップトラックのH3Tに改造した。商用車ではなく、ルーフにカヤックを2艇載せて大自然を探検するのに適したレクリエーション車両だ。H3Tはハマーで最も手頃な価格帯であり、ブランドの主力モデルにもなり得ただろう。
しかし、実際には、ハマーで最も希少なトラックとして記憶されている。2008年から2010年にかけて生産されたのはわずか2738台。巨大なH1の約1万1000台、中型のH2の15万台と比較すると圧倒的に少ない。2010年にGMがブランド廃止を発表したことを受け、生産終了となった。

(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます。)





















