【2025年日本自動車業界総括】寝耳に水、大統領の一言、廃止と先送り!メーカーとユーザーを揺さぶった、ふたつの大きなニュース

公開 : 2025.12.31 07:05

結局、実施は2年先延ばし

もうひとつ、2025年の大きなニュースは『クルマの税金』の抜本的な見直しだ。1年を通じて『暫定税率』という言葉が数多く報道された。

1970年代に道路インフラ整備などを目的として、国はガソリンの揮発油税や地方揮発油税に対して暫定的に税率を上げた。民主党政権では、これが道路財源から一般財源化され、『旧暫定税率(当分の間税率)』と行政上の名目を変えただけで、ガソリンで1Lあたり25.1円、軽油で17.1円が加算され続けてきた。

暫定税率廃止に向かい、ガソリン価格は段階的に下がっている(写真はイメージです)。
暫定税率廃止に向かい、ガソリン価格は段階的に下がっている(写真はイメージです)。

2024年12月には自民党と当時与党の公明党、そして国民民主党の会談でガソリン暫定税率早期廃止で合意したがその後、法改正の動きが鈍化。ところが、夏の参議院選挙で与党が議席数の過半数割れとなったことを機に、ガソリン暫定税率廃止に向けた動きが一気に加速した。

こうした『燃料課税』に加えて『車体課税』の抜本見直しについては、年末にまとめた与党税制調査会で令和8年度税制改正大綱での議論が進んだ。

話は二転三転し、結果的に取得時の環境性能割は完全廃止に。ところが、保有時にかかる自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を融合した新税については、2026年末の令和9年度税制改正大綱で結論づけ令和10年度からの実施を目指すとして、実質的に2年先送りとなった。

こうしたトランプ関税の影響、また車体課税の抜本見直しについて、ユーザーは2026年も目が離せない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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