新型車発表会の裏側 メーカーとジャーナリストは何をしている?(後編) 最高で奇妙なエピソードたち UK編集部記者の視点

公開 : 2026.01.12 11:45

新型車のデビューは、自動車ジャーナリストにとって最もワクワクする瞬間です。メーカーはなぜ発表会を重視するのか? これまで記者にとって最も印象的だったイベントは? UK編集部が発表会の舞台裏について紹介します。

ヒーローとの少し恥ずかしい対面

これまでさまざまなイベントに出席してきたAUTOCAR英国編集部の記者たちに、忘れられない最高の思い出を尋ねてみた。

マーク・ティショー(編集者):

新型車発表会には時折、有名人が顔を出すこともありますが、最近ではあまり見られなくなりましたね。どちらにしても、僕はそういうことはあまり気にしていません。

レンジローバー
レンジローバー

ただ、例外が2つあります。1つは、2012年のサンパウロ・モーターショーで、ブラジル市場向けの3ドアのフォルクスワーゲン・ゴルが発表されたときのこと。サッカー選手のネイマールがバスで会場に現れたんです。あれほどの熱狂ぶりはみたことがありません。インドのクリケット選手レベルの盛り上がりでしたよ。

クリケットといえば、僕の絶対的なヒーローであるジミー・アンダーソン卿(クリケット選手)が、数年前にロンドンで開催されたレンジローバーのフェイスリフト発表会に出席していましたね。僕は本当に感動して、ほとんど言葉も出ませんでした。彼と一緒に撮った写真はひどいもので、恥ずかしい思いをしましたよ。彼は僕のことを間抜けだと思ったに違いありません。ですが、彼はとても素敵な人でした。

シュワちゃんとGクラス

レイチェル・バージェス(雑誌編集者):

2018年、わたしはモーターショーのために凍えるような寒さのデトロイトにいました。ブリティッシュ・エアウェイズがわたしの荷物を紛失(ロストバゲージ)したため、きちんとした服装ができなかったのですが、その時の新型メルセデス・ベンツGクラスの発表会にアーノルド・シュワルツェネッガー氏が登場したんです。彼はメディアなどの前で、当時のメルセデス・ベンツのCEOにぎこちない「インタビュー」を行っていました。

業界の同僚で、わたしより度胸のある人が、アーニーを背景にわたし達の写真を遠慮なく撮ってくれました。でも、残念ながら、その写真はもう見つかりません。

メルセデス・ベンツGクラスとアーノルド・シュワルツェネッガー
メルセデス・ベンツGクラスとアーノルド・シュワルツェネッガー

新興企業の奇妙な演出

フェリックス・ペイジ(副編集長):

マレン・ファイブRSというクルマをご存知なくても、当然でしょう。

米国のEVスタートアップであるマレンは昨年、CESで「1000ps、320km/h」のスーパークロスオーバーを発表しましたが、その演出として、さまざまな歴史上の人物が登場する奇妙なパントマイム風の劇を演じたのです。それだけでも十分困惑させられましたが、エイブラハム・リンカーンが助手席から悠然と降りてくる際、ドアミラーが数百人の観衆の前で脱落するという事態が発生したのです。

マレン・ファイブRS
マレン・ファイブRS

この出来事がマレンの信頼性を損ねたのかどうかは計りかねますが、同社は未だにモデルを発売していません。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

新型車発表会の裏側 メーカーとジャーナリストは何をしている?の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事