個性派クロスオーバーに電動版登場 プジョーE-408(1) シャープなボディが包むハードを確認

公開 : 2025.10.08 19:05

クーペ風クロスオーバー、408に電動版登場 強い印象を残すシャープなボディライン 60km/hまでかなり活発 驚くほど洗練され一体感ある操縦性 モデル3へ迫る電費 UK編集部が試乗

全長4687mmのクーペ風クロスオーバー

エンジン版のプジョー408の登場から、遅れること3年。バッテリーEVのE-408が登場した。マイルド・ハイブリッドの408より、英国価格は約1500ポンド(約30万円)高いが、プラグイン・ハイブリッドより約4500ポンド(約89万円)安い。

プラットフォームは、EMP2。駆動用バッテリーは58.2kWhで、航続距離は452kmが主張される。駆動用モーターの最高出力は210psで、急速充電は120kWに対応する。いずれも、目立つような数字ではないだろう。

プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)
プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)

前輪駆動で、サスペンションは前がマクファーソンストラット、後ろがトーションビーム。スチールコイルに、一般的なダンパーという組み合わせだ。

全長が4687mmと大きめのクーペ風クロスオーバーで、直接的な競合は少ないといえる。だが、ヒョンデアイオニック5テスラモデル3トヨタbZ4Xなどと比較されることは多いはず。

強い印象を残すシャープなボディライン

スタイリングは、シャープなライン構成が強い印象を残す。後方までグラスエリアが伸びたクーペ風シルエットや、縦に長いデイライト、ダイナミックな造形のリア回りなどが、特有の個性を生んでいる。

ホイールアーチの樹脂製モールがクロスオーバー感を醸し出すが、全高は1478mmと高くはない。大きく傾斜したテールゲート上には、猫耳風のスポイラーが載る。

プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)
プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)

基本装備は充実し、安価なアリュール・グレードでも19インチのアルミホイールにバックカメラ、キーレスエントリー、ヒーター付きステアリングホイール、車線維持支援などの運転支援システムが備わる。

GTグレードへステップアップすると、航続距離は2kmほど短くなるが、マトリックスLEDヘッドライトやボディカラーと同色のフロントグリルなどを得る。車内へ追加されるカスタマイズ可能なタッチセンサー、i-トグルは便利な機能だ。

ボディと同じく車内もエンジン版と共有

ボディと同様に、インテリアも基本的にエンジン版の408と同じ。スウェード調のダッシュボードは、e-308と似ている。デザインはモダンで、製造品質が高く、操作性は良い。スイッチを押した感触も、しっかり練られている。

ただし、お値段の割にプラスティック製パネルも多い印象。試乗車にはマッサージ機能付きのレザーシートが組まれていたが、横方向のサポート性はもう少し欲しい。座面の位置も、更に下げられるとうれしい。

プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)
プジョーE-408 GT 58kWh 210(英国仕様)

インフォテインメント・システムの操作性は良好。モニターは鮮明で見やすく、エアコンやシートヒーターなどの調整も簡単にできる。その下へ並ぶi-トグルの1つへ、エアコンの温度調整機能を割り当てられれば、更に便利なのだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アレックス・ウォルステンホルム

    Alex Wolstenholm

    役職:編集アシスタント
    AUTOCARの編集アシスタントとして、中古車やクラシックカーなどの特集記事、SEO対策にも携わる。熱狂的なクルマ好きで、特に不明瞭な点や風変わりな部分については、仕様書に詳しく目を通す。現在は2007年式のアルピナD3ツーリングに乗っているが、母親のフォード・フィエスタを運転している姿もよく目撃される(母親は迷惑している)。これまで運転した中で最高のクルマは、なんだかんだで今のアルピナ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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