フェラーリV8を押し込んだランチア・テーマ 同ラインで作られたフィアット・クロマ ティーポ4プロジェクトのサルーンたち(2)
公開 : 2026.02.01 17:50
みっちり収まるフェラーリのV8エンジン
今回ご登場のテーマは、215psのV8エンジンを積んだ8.32。1988年に登場した187psを誇るテーマ・ターボは、最高速度が僅かに高く、価格は3割ほど安かった。0-100km/h加速もより鋭かったが、フェラーリ・エンジンの魅力に疑う余地はない。
ボンネットを持ち上げると、フロントアクスルの少し前方へ、308由来のF105L型ユニットがみっちり収まっている。ランチアのフラッグシップとして、熱いマニアの夢へ応えるべく、ティーポ4へ押し込んだ特別なサルーンといえる。

イタリア・マラネロの工場でエンジンブロックは鋳造され、組み立てはボローニャのドゥカティ社が担当。クロスプレーン・クランクシャフトが組まれ、排気量が2927ccに縮小され、低域トルク優先のチューニングを受けている。
7000rpmへ吹け上がる完璧なバランス
8.32は、究極のテーマだろう。アイドリング時から、贅沢な余裕が漂う。クラッチペダルは軽く、アクセルペダルはストロークが長い。ZF社製のパワーステアリングは極めて滑らか。乗り心地には、適度な締まりがある。
2500rpmで27.5kg-m前後のトルクを得るが、3000rpmから本領を発揮。二重化されたバルクヘッド越しに咆哮が反響し、幅205のグッドイヤー・タイヤがむずがる。

完璧なバランスで簡単に7000rpmへ吹け上がり、5速MTのギア比はショート。3速で160km/hに達しても、タコメーターを見なければシフトアップを忘れそうだ。
颯爽と速度は上昇し、アダプティブダンパーが路面の凹凸を巧みに均す。ヘアピンカーブへ飛び込むと、フロントノーズの重さを隠さない。ステアリングは正確で、身のこなしは落ち着いているが、ボディロールとともに増すアンダーステアで我に返る。
この続きは、ティーポ4プロジェクトのサルーンたち(3)にて。
画像 アルファ・ロメオ、フィアット、ランチア、サーブ 「ティーポ4」の4きょうだい 後継に当たる166と9-5も 全95枚
































































































