複雑すぎた迷機『8-6-4』から最新型コルベットまで ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジン(後編) 脈々と続く系譜

公開 : 2026.03.08 11:45

キャデラック・ノーススター(1993年)

20世紀の大排気量アメリカンV8エンジンとしては、『ノーススター』は極めて複雑な構造を持っていた。ツインオーバーヘッドカムシャフトと4バルブを採用している。4.6L仕様はアランテ(写真)で初登場し、その後、多くのキャデラック車に主にスーパーチャージャー付き4.4L仕様が搭載された。

ノーススターはポンティアック・ボンネビルやビュイック・ルサーンにも搭載され、さらに650psを発生する4.0Lツインターボ仕様として、アメリカン・ル・マン・シリーズに参戦するスポーツレーシングカーにも採用された。

キャデラック・ノーススター(1993年)
キャデラック・ノーススター(1993年)

オールズモビル・オーロラ(1995年)

このV8エンジンの正式名称は『L47』だが、唯一搭載されたモデルの名称で広く知られている。キャデラック・ノーススターと密接な関係があり、限定生産のシェルビー・シリーズ1ロードスターにも採用された。

排気量はノーススターのレース用エンジンと同じ4.0Lで、250psを発生した。オールズモビルは派生として215psの3.5L V6エンジンを開発し、これは『ショートスター』として知られるようになった。両バージョンとも、2004年にオールズモビルブランドが廃止された際に生産終了となった。

オールズモビル・オーロラ(1995年)
オールズモビル・オーロラ(1995年)

シボレー・スモールブロック Mk3(1997年)

『LS』とも呼ばれる3代目スモールブロックは、前2世代とはほぼ無関係だ。実質的に白紙からの設計であり、先行するキャデラック・ノーススターとは異なり、従来通りプッシュロッド方式の2バルブを採用している。

排気量は4.8L〜6.0Lまで用意され、多様な形態で生産された。コルベットからエクスプレス(写真)に至るまでのあらゆるシボレー車に加え、ビュイック、キャデラック、GM、ホールデン、そしていすゞ・アセンダーにも搭載された。

シボレー・スモールブロック Mk3(1997年)
シボレー・スモールブロック Mk3(1997年)

デュラマックスV8(2000年)

デュラマックスは、ゼネラルモーターズといすゞの合弁会社DMAXが生産するV8ディーゼルエンジンのシリーズである。2000年7月に生産開始し、2017年3月には生産台数が200万台に達した。

大型のデュラマックスエンジン(小型版はベイビー・デュラマックスと呼ばれる)は6.6Lで、トラックやバンに搭載されている。4.5L版も発表されたが、2008年の世界金融危機直後に開発が無期限延期となった。

デュラマックスV8(2000年)
デュラマックスV8(2000年)

写真:2022年 シボレー・シルバラード2500 HD

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジンの前後関係

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