名機「スモールブロック」からディーゼル版まで ゼネラルモーターズが生産した全V8エンジン(中編) 数多の改良と派生
公開 : 2026.03.08 11:25
オールズモビル・ターボロケット(1962年)
オールズモビルが215エンジンにターボチャージャーを装着した理由は、今日の多くのメーカーと同じである。つまり、ブーストがかかっていない状態のターボエンジンは比較的燃料消費が少ないため、優れた性能と経済性を両立させることができるのだ。
『ターボロケット』として知られるこのエンジンは、オールズモビル・カトラスの派生モデルであるジェットファイアに短期間搭載された。ジェットファイアはターボチャージャー搭載量産車の先駆けの1つである。しかし、高コスト、信頼性の低さ、それに伴う販売不振により、ジェットファイアの生産期間はわずか2年間、販売台数9607台に留まった。

オールズモビル V8(1964年)
オールズモビルが自社設計した2代目V8は、1964年から1990年までと圧倒的に長く生産された。小排気量型と大排気量型の両方で多くのバリエーションが存在し、1975年に導入されたエコノミー仕様の4.3Lから7.5Lまで実に幅広い。
この時代、GM傘下の1ブランドで開発されたエンジンは、別のブランドでも使用されることが多かった。オールズモビルのV8エンジンは、ビュイック、キャデラック、シボレー、ポンティアック、さらにはGMCのモーターホーム(写真)にも採用された。

ビュイック 300(1964年)
オールアルミ製の215エンジンは、4.9Lの300に置き換えられた。300は当初から鉄製ブロックを採用し、間もなく鉄製シリンダーヘッドも採用した。5.6Lの340と5.7Lの350は、同エンジンの派生である。
300シリーズはビュイックの各モデルや、スポーツカーのアポロGTなどに広く採用された。また、GMは1960年代末から1970年代初頭にかけて、ライバルであるジープ車への供給も許可した。ジープでは『ドーントレス』の名称で知られている。

写真:1968年 ジープ・ワゴニア
ビュイック・ビッグブロック(1967年)
ビュイックはネイルヘッドを廃止し、ビッグブロックと呼ばれる新型V8エンジンを採用した。当初は6.6Lだったが、まず7.0L、次いで7.5Lへと拡大された。このエンジンは1973年に始まった不況期(マレーズ時代)の犠牲となった。この時代、米国では燃料を大量に消費し、深刻な大気汚染を引き起こす巨大なエンジンが台頭した。
7.5LのビュイックV8(通称455)はまさにその典型例であり、1976年に生産中止となった。ビュイックはその後、これほど大排気量のエンジンを設計しておらず、おそらく今後も設計することはないだろう。

写真:1975年 ビュイック・エレクトラ



























