メルセデス・ベンツ新型『Cクラス』発表! 歴代初のEV、航続距離762kmを達成 BMW i3に真っ向勝負

公開 : 2026.04.21 07:45

フロントグリルを「アイコン」に

レズニック氏は「最終的には、アイコンが違いを生みます。そして間違いなく、メルセデスのグリルはアイコンです」と語っている。

「他にもいくつかのグリルがありますが、どれも象徴的です。AMGの高性能モデルには縦型スラットを備えたV字型グリルがあり、Gクラスには水平ルーバーのグリルがあり、マイバッハ専用のグリルもあります。いずれも、数本の線でスケッチすれば、おそらくメルセデスのグリルだと分かるでしょう」

新型CクラスEV
新型CクラスEV    メルセデス・ベンツ

「これが他ブランドとの最も強力な差別化要因の1つです。世の中は目まぐるしく変化しており、最近では数多くの新ブランドが登場していますが、そのほとんどはこうした象徴的な要素を持っていません。なぜなら、彼らには歴史的遺産がないからです」

レズニック氏によると、内燃機関モデルに比べて必然的に車高が高くなるが、その点を目立たなくすることがデザイナーにとっての重要な課題だったという。

「大きなバッテリーをどこかに配置しなければならないとなると、当然ながら車高に影響が出ます。実際、車高は約60mm高くなります。最初の目標は、その高さをどう目立たなくするかというものでした」

歴代セダンと異なるシルエット

そこでたどり着いたのが、一連の「シンプルな工夫」だった。車体のサイドプロファイルの視覚的なボリュームを軽減するツートンのトリムパネル、大径ホイール、そしてCクラス初となる「3ウィンドウ」のガラスエリアだ。後者の3枚窓は、流線型のクーペスタイルのリアエンドへとつながっている。

レズニック氏は、これまでのCクラス・セダンに見られた伝統的な3ボックス形状から脱却したこの「GTリアエンド」が、美的役割だけでなく機能的な役割も果たすと語った。

「空気抵抗係数は非常に優れたものです。わたしはデザイナーですから具体的な数値は明かせませんが、非常に優れているということは言えます」

メルセデス・ベンツによると、空気抵抗の低減により「極めて静かな車内」を実現しながら、高速巡航時の燃費向上にもつながるという。

ディスプレイ中心のインテリア

新型CクラスEVのインテリアは、幅993mmの大型ディスプレイ「ハイパースクリーン」(オプション)が主役となる。ディスプレイは1000個のLEDで構成され、スライダーを使って特定のエリアの明るさを個別に調整することもできる。

助手席乗員はストリーミングサービスの利用、ゲームのプレイ、各種車載システムの操作が可能で、一方のドライバーにはナビゲーション、オーディオ、空調のメニューが表示される。

新型CクラスEV
新型CクラスEV    メルセデス・ベンツ

標準装備されるのは、やや控えめな「スーパースクリーン」だ。レイアウトは同じだが、3つの独立したスクリーンで構成されており、ドライバーの注意散漫を最小限に抑えるため、助手席側のディスプレイは運転席からは見えないようになっている。

ハイパースクリーンおよびスーパースクリーンはいずれも、最新版MBUXインフォテインメント・システムを搭載する。ChatGPT、グーグル・ジェミニ、マイクロソフトのAI技術を「独自のマルチエージェントアプローチ」で活用し、「車両とドライバーの関係を革新する」とされている。

音声コントロール機能では「友人のように」話しかけることができ、複雑かつ多段階の会話が可能で、短期記憶も保持できる。

こうした先進的なデジタル機能を重視しつつ、物理的な操作系も残している。例えば、センターコンソールには新しいコントロールパネルが設けられ、ボタンや音量調節用のローラーが配置されている。ステアリングホイールには、速度制限機能やクルーズコントロール用のロッカースイッチが備わる。

ボディサイズ

新型CクラスEVのボディサイズは、全長4883mm、全幅1892mm、全高1503mmと、内燃機関搭載の現行Cクラスとほぼ同等だ。しかし、ホイールベースは97mm延長されて2962mmとなり、後部座席の足元スペースが大幅に拡大している。メルセデス・ベンツによると、これはEV専用プラットフォームの利点だという。

また、ルーフラインが高くなったことで、床下にバッテリーが搭載されているにもかかわらず、ヘッドルームも前席で22mm、後席で11mm拡大している。

トランク容量は470Lで、現行型よりわずかに増えた。ボンネット下には充電ケーブルや汚れたブーツなどを収納できる101Lの収納スペースが設けられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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