歴史上初めてクルマで旅行したのは誰? 自動車業界の「世界初」 29選(後編) 車検や速度制限の始まりとは

公開 : 2026.05.05 11:45

道路標識

当然のことながら、道路は自動車が誕生するよりも何世紀も前から存在しており、道路標識の歴史もはるか昔にまで遡ることができるが、現在ほどには普及していなかった。1800年代後半、自転車や自動車の普及が進むにつれ、道路標識はどんどん一般的なものになっていった。

かつて道路標識の主な目的は、最寄りの町までの距離を示すことだった。現在では、法規制や安全上の問題、車両の優先順位、地域の施設など、ドライバーが知っておくべき多くの情報を伝えている。

道路標識
道路標識

ロードトリップ

ガソリンスタンドの話題で先に触れたベルタ・ベンツ氏(1849〜1944年)は、1888年8月に史上初のロードトリップを行った。夫カールのパテント・モトールヴァーゲンを無断で借り、息子たちと共に約100km離れた実家の母を訪ねたのだ。当時の自動車にとっては驚異的な距離だった。ベルタ氏はまた、世界初のテストドライバーでもあり、坂道を登るための低速ギアが必要だと提案したほか、同じ旅の途中でブレーキライニングの概念を考案した。

現代のドライバーも、ドイツ南西部の「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」を走ることによって、彼女の足跡を辿ることができる。このルートは2008年に公式な観光道路として認定された。

ロードトリップ
ロードトリップ

スピードカメラ

初期の速度測定は、人的ミスが多発し、不当な有罪判決につながりやすかった。1953年のラリー・モンテカルロ優勝者モーリス・ガトソニデス(1911〜1998年)は、より信頼性の高いレーダー式スピードカメラを開発し、1960年代後半から欧州で普及が進んだ。英国での導入は1990年代初頭に始まった。

米国では、同種の装置が1986年にテキサス州フレンズウッドに初めて設置された。このカメラと、翌年に近隣のラ・マルクに設置された別のスピードカメラは、いずれも極めて不評だったそうだ。

スピードカメラ
スピードカメラ

速度制限

ほとんどの国では、当初から公道に速度制限が導入されていた。例えば、英国で最初に登場した自動車は、1865年の機関車法を遵守しなければならず、市街地での最高速度を時速2マイル(約3km/h)、郊外では時速4マイル(約6km/h)と定められていた。この制限は1896年に時速14マイル(約23km/h)に引き上げられた。米国における自動車向けの最初の速度制限は、1901年にコネチカット州で施行されたもので、市街地で時速12マイル(約19km/h)、郊外で時速15マイル(約25km/h)とされた。

ドイツは、アウトバーンの一部区間に速度制限の上限がない、非常に珍しい国だ。これは1930年から1967年まで、英国の市街地以外のすべての道路にも適用されていた。米国のモンタナ州では、1995年から1999年まで高速道路に実質的な日中の速度制限がなく、その後時速75マイル(約121km/h)に設定された。

速度制限
速度制限

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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