最上級にエレガントなジャガーXJ-S リンクス・イベンター(1) シューティングブレークの魅力に迫る
公開 : 2026.06.06 17:45
「挑戦でしたが、成果は誇れるもの」
とはいえ、作業は難航したとルーカスが続ける。「燃料タンクにリアのバルクヘッドとフェンダー、ルーフの大部分を、一度取り外す必要がありました」
「当初は、フロント側のルーフを残す計画でしたが、きれいな曲面では仕上げられなかったんです。半分は神頼み、といったところでしたが、最終的には驚くほど高度な仕上がりになったと思います。挑戦でしたが、成果は誇れるものだと思います」

ご登場願ったダーク・レッドのリンクス・イベンターも、彼らによって美しく仕上げられた1台。初代オーナーは、自身の名を冠した紳士服ブランドを立ち上げた、サー・モンタギュー・バートン氏を父に持つ、実業家のレイモンド・バートン氏だ。
彼は、1964年のアルペン・ラリーへACエースで参戦。コースアウトし、45mほど崖を転落しながら、軽症で済んだという幸運の持ち主でもある。
6.1L化で385psへ上昇したV12エンジン
そんなレイモンドが、クーペのXJ-Sを受け取ったのは1986年10月。V12エンジンが発揮する289psは物足りないと、早々に感じたらしい。その月末には、TWRのワークショップへ彼のジャガーは持ち込まれた。
まだ創業から10年も過ぎていなかったTWRだが、欧州ツーリングカー選手権へグループA仕様のXJ-Sで参戦。ジャガーのチューニングで、一目置かれる存在になっていた。

5.3LのV12エンジンは6.1Lへ拡大され、ハイカムと専用コンロッド、鍛造ピストンが組まれた。吸排気系や点火系、燃料噴射システムも改良され、最高出力は385psへ上昇。サスペンションとブレーキも強化され、増大したパワーを受け止めた。
この続きは、リンクス・イベンター(2)にて。















































































































































