もうすぐ買えなくなる『最後の純血アルピナ』(2)B4 GTグランクーペ編【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.05.25 12:05

一生忘れることのできない経験

もちろんワイドなトルクバンドの恩恵で、ドライバーはさらに俊敏な加速を望めば、アクセルペダルを強く踏み込むだけで最適なギアが瞬時に選択される。コーナーに進入する時のブレーキングに対してのシフトダウンもまた同様で、B4 GTグランクーペの8速ATは実に優秀だ。

フロントにアルピナ独自のスタビライザーを装備し、同時に可変スポーツステアリングとアクティブダイナミックダンピングコントロールのセットアップも大幅に改良したというシャシーが生み出すフィーリングは、このモデルが持つ最大の魅力。

純血種アルピナ、そのラストモデルたち。日本でも在庫限りの状況となっている。
純血種アルピナ、そのラストモデルたち。日本でも在庫限りの状況となっている。    佐藤亮太

サスペンションの動きは常にスムーズで、かつその乗り心地はどのドライブモードを選んでもラグジュアリーな印象を崩すことはない。

ステアリングの正確さも、ドライバーに大きな安心感を与える大きな理由。

今回は高速道路での走りを試すことはできなかったが、アルピナの生まれ故郷であるドイツでは305km/hとされる最高巡航速度の領域でも、圧倒的なスタビリティによってリラックスした、そして疲れを感じさせないドライブを楽しむことができるのだ。

アルピナが自社ブランド車の生産を中止した今、そのラストモデルとしてデリバリーされたモデルをドライブできたことは、自分自身にとって一生忘れることのできない経験となるだろう。この幸運に感謝したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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