超高速域で手応えあり! 『アストン マーティン・ヴァンテージS』は、スーツを着た紳士のような振る舞い

公開 : 2026.06.02 12:05

コーナーで踏んでいける2駆

ドライビングモードをスポーツプラスにすると、ターンインしてからのロール剛性が上がっていることが感じられ、フロントに搭載されたV8の重さをほとんど感じなくなる。

前走者の関係でペースが落ちると重厚なアストン マーティンらしい感覚が伝わってくるが、ペースが上がると身のこなしが軽くなり、自信をもってコーナーで踏んでいけるようになる。ターンインで開放スロットルオンで締結という動作を繰り返しているであろう電制LSDの暗躍も見事で、意識的に流そうとしない限りリアもスライドしない。結果としてサーキットレベルの速度でも躊躇なくスロットルを踏んでいけるのである。

サーキットレベルの速度でも躊躇なくスロットルを踏んでいける。
サーキットレベルの速度でも躊躇なくスロットルを踏んでいける。    アストン マーティン

これほどの高出力をリアの2輪だけで伝えるスポーツカーは年々少なくなっているし、車重1750kg程度というのも時代やパフォーマンスと照らし合わせればかなり軽い部類に入る。そして何より大事なのは、いかなる速度域でもスーツを着た紳士のようなアストンらしい立ち居振る舞いを失わない点だろう。

そういえば先日訪ねたスーパーGT開幕戦の岡山でも、ヴァンテージGT3がサラッとポールトゥウィンを決めていたし、大きな注目を集めたニュル24時間でも3位表彰台を獲得。今どきのスーパースポーツはクルマ自体の完成度に加え、レーシングシーンでの活躍もオーナーのプライドをくすぐるに違いない。

時代相応のアップデートが施されたヴァンテージSはアストンマーティンのイメージをさらなる高みに引き上げてくれる傑作だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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